スピードが求められ、飛び交う情報を処理する能力が必要とされる現代。
人間関係や仕事の量や質で、なにかとストレスがたまることが多い職場環境。
そのストレスを発散するために効果的なのが、趣味を持つこと。
趣味には、ストレスから解放してくれる要素がたくさん含まれています。
というあなたにもおすすめの、ストレス発散効果が期待できる趣味を紹介します。
趣味によるストレス発散効果3つ
実際に、趣味がどのようにストレス発散につながるのでしょうか。
①セロトニンとエンドルフィンによる効果
ウォーキングやジョギング、サイクリングといった強度の強くない一定のリズムの運動や、ヨガや瞑想により、セロトニンやエンドルフィンの分泌を促します。
セロトニンは心に安らぎ・安定をもたらす、脳内で働く神経伝達物質。
セロトニンが不足すると、ストレスによる障害やうつなどの原因になります。
また、エンドルフィンもセロトニンと同じく神経伝達物質で、これがたくさん分泌されると、より幸せな気分になれます。
これらの物質の分泌により、ストレス発散につながるのです。
②趣味に没頭することによる効果
運動や瞑想、もしくは手作業をともなう趣味に没頭することで、意識がストレスの原因やそれに関する思考から離れ、呼吸や作業の対象に向けられるので、ストレスからの解放につながります。
③体力がつくことによる効果
趣味で運動を続けることで体力がつき、それによって疲れにくくなり、体の疲れからストレスを感じるケースも減ります。
これは、予防という点で効果があります。
ストレス発散効果が期待できる趣味【お手軽編】
では、どのような趣味がストレス発散に効果があるのでしょうか。
まずは、時間やお金があまりかからない、お手軽なものを紹介します。
会社帰りやプライベートのちょっとした時間でもできるので、趣味としてはハードルの低いものとなります。
カラオケ
手軽なストレス発散の趣味としてまず挙げられるのが、カラオケ。
もやもやとしたはけ口がはっきりしないストレスを発散するには有効な趣味です。
友人や気心の知れた仲間とわいわい楽しむのももちろん良いですが、「ひとりカラオケ」もおすすめ。
最近では、ひとりカラオケ専門店も増えており、一人の場合は歌唱力や他人の目を気にする必要がありません。
その場の雰囲気に応じた選曲も不要で、自分の歌いたい歌を何回も続けて歌っても良いので、自由に行動できます。
また、お腹から大きな声を出すことで、横隔膜が動き自律神経に刺激が与えられて活発化し、ストレスで乱れた交感神経と副交感神経のバランスが安定するという効果を得ることもできます。
ウォーキング
ウォーキングも、手軽に始められる趣味の一つ。
適度に日光を浴びながら歩くと、セロトニンの分泌がさらに促され、よりストレス発散効果を期待できます。
いつも降りる駅のひとつ前の駅で降りて、その分を歩くというのも十分なウォーキング。
わざわざウォーキングのために時間を設けるよりも、普段の生活の中の行動パターンを少し変化させるという形でウォーキングを取り入れた方が、お手軽度が高いです。
もちろん、歩くという有酸素運動により先ほど説明したセロトニンが分泌されることも大きな効果なのですが、歩くことで普段気に留めていなかった町の景色や音、匂いなどにも気づき、それらが脳に良い刺激を与えるという効果も。
すると、なんの変哲もないと思っていた町にも魅力を感じ、歩くのがもっと楽しくなりますよ。
友人とカフェでおしゃべり
友人とカフェでおしゃべりをして過ごすというのも、重要なストレス解消の一つ。
信頼のできる友人に話を聞いてもらうだけで、十分にストレス発散の効果が期待できます。
カフェという日常から少し離れたゆったりとした空間が、ストレスで狭まっていた視野を広げさせる効果をもたらし、話をしていくうちに今まで悩んでいたことやもやもやとしていたことがちっぽけなことのように感じてすっきりしますよ。
塗り絵
近年、ストレス発散の方法として注目を集めているのが、「塗り絵」。
書店でも、「大人の塗り絵」としていろんな種類の塗り絵が並べられています。
フランスでもアートセラピーとして、ストレス解消の一つとして取り入れられており、エルメスからも塗り絵の本が出版されているほどの人気があります。
塗り絵に夢中になることで、ストレスをため込んでいるときにありがちな余計な思考から解放され、ストレス発散につながります。
また、塗り絵の鮮やかな色は、右脳に刺激を与えて右脳の活動を活発にします。
多くの情報が飛び交う現代社会では、右脳よりも左脳の使用が多く偏った状態になっており、それがストレスの原因にもなっているので、塗り絵により右脳と左脳のバランスが良くなることがストレスの解消につながります。
ストレス発散効果が期待できる趣味【上級編】
ここからは、少し時間とお金をかけてより効果の見込める趣味を紹介します。
ややハードルが高く感じるかもしれませんが、じっくり時間をかける分、ストレス発散の面では大きな効果が期待できます。
旅行
時間とお金があればおすすめの趣味が、旅行です。
旅先でいつもと違う風景、音、香り、味を五感で触れることで、ストレスで閉じ込められていた視野が広がり、今まで自分のストレスになっていたことがどうでもいいちっぽけなものに感じてきます。
ブルーやグリーン、大自然の「色」が持つ癒しの効果
海や青空の風景で見られる鮮やかなブルーは、精神的疲労に効果があり、緊張感をほぐしてくれます。
ストレスで腹が立っているときにも、ブルーがおすすめ。
そして山や森で見られるグリーンは、肉体疲労に効果があり、不安を和らげる効果もあります。
森林浴でゆっくりと体いっぱいにグリーンを浴びて、その効果を実感しましょう。
このように、非日常の空間で五感を通じてストレスを発散するために、旅行のスケジュールには余裕を持たせることが大切です。
乗る予定の列車やバスが1、2本遅れてもなんとかなるくらいの余裕があれば、なんらかの事情で乗り遅れた場合やスケジュールが変わっても、落ち込んだりストレスになったりすることはありません。
「この素敵な風景をもっと味わいたい!」と感じたときに、その気持ちに素直になれるような余裕のあるスケジュールで旅行を楽しみましょう。
ヨガやフィットネスジムでの運動
体を動かすストレス解消法として、さらにワンランク上の趣味は、ヨガやフィットネスジムでの運動です。
体を動かすことや呼吸に意識を向けることで、雑念が生まれる余地をなくし、ストレスがたまっているときによく見られる「ネガティブ思考」が繰り返される状態から解放されます。
ストレスがかかった状態が続くと、交感神経が優位になりになり、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなれば、脳に酸素が行き渡らずに昼間の眠気や疲れ、自律神経の乱れが生じ、それがまたストレスの原因になることも。
ヨガの呼吸法やポーズでは、浅くなった呼吸を深くし、体全体に酸素が行き届いて心身のリラックスにつながり、ストレス解消の効果が得られます。
また、交感神経と副交感神経のバランスも整い、良い睡眠をもたらすので翌朝の目覚めもすっきり。
フィットネスジムでの運動も、爽快感や体力のアップ、セロトニンやエンドルフィンの分泌により心身の安定をもたらし、ストレス発散につながります。
また、これらの趣味は会社帰りにできるというメリットもあるので、時間に無理がなければ習慣として定着することも可能です。
注意が必要な趣味
これまで紹介してきた趣味はストレス解消に大きく役立つものですが、ストレスを逆に増やしてしまう可能性がある趣味もあります。
取り組むタイミングや、取り組み方によって、ストレスを減らすことも増やすこともあるもので、注意が必要です。
ショッピング
ストレス解消の手段としてのショッピングは、ちょっとした程度なら良いのですが、適度な範囲を超えて散財をするほどになってしまうと、かえって大きなストレスになってしまいます。
特に、ネットでのショッピングは、外出不要で数回クリックするだけで買い物ができてしまうので、買いすぎに注意が必要です。
テレビやスマートフォンでのゲーム
気分転換で少しゲームをする分には問題ありませんが、プレーを続けていくうちに、「もっと高いスコアを出せるのではないか」「次こそはクリアできるはずだ」「頑張ればあのアイテムが手に入るのではないか」という期待で、どんどんゲームから抜け出せなくなり、心身ともに新たなストレスが生じてしまいます。
期待を裏切られる結果になったときにはなおさらです。
また、就寝の直前までテレビやスマートフォンでゲームをしていると、睡眠に悪影響を及ぼし、十分な休養が取れず、疲れからストレスの原因になります。
これらの趣味でストレスがたまるようなことがあれば、他の趣味に切り替えてストレス解消をはかりましょう。
最後に:やりたいことをやってみるのが一番
今回はストレス解消に効果がある趣味を紹介しました。
「これなら始めてみたい!」というものはありましたか?
体を動かすものもあれば、じっくりと一つのものに没頭するものもあり、様々なタイプがあります。
どれが自分に合うかは、人それぞれ。
ストレス解消のために始めたことが逆にストレスにならないよう、自分の時間やペース、生活スタイルに合ったものを選び、取り組みましょう。
それが自分の大好きな趣味として、ストレス社会に打ち勝つサポートになれば、嬉しく思います。