「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」
皆様は、このフレーズを聞いたことはありますか?
どちらも有名なスポーツ漫画の中で、困難なときに投げかけられたセリフです。
漫画や実際のスポーツの世界では、昔から思い込みの力の効果は重要視され、クローズアップされてきました。
実は思い込みの力は、上手に活用できれば、自分の可能性をもっと広げることができます。
しかし、不思議なことに、多くの人は思い込みの力を日常生活の中で活用していません。
今回は、思い込みの力の効果と具体的な活用方法をご紹介いたします。
思い込みの力はすごい!プラシーボ効果
思い込みの力のことを、「プラシーボ効果」といいます。
もともとは医療用語で「偽薬を投与したにも関わらず、症状が回復したり和らいだりする現象」のことですが、今では日常生活や仕事、恋愛にも使われるようになりました。
そして、この「プラシーボ効果」は、教育にも取り入れられており、読者の皆様も知らず知らずの内に経験をしているのを知っていましたか?
小学生の頃を思い出してください。
進級時や新学期には、習字で1年間の目標を書き、教室の壁面に貼っていませんでしたか?
定期テストや長期休みの際、宿題や課題の計画表を作成し、提出しませんでしたか?
あのような取り組みには、常に目標を意識させ、行動に反映させる意図があります。
ですから、壁面に貼り出したり、1日の勉強範囲を必ず完遂することを徹底させるために、計画表を作らされていたのです。
もちろん小学生なので、目標や計画が徹底できていたかと言われれば、100%できていなかったとは思います。
しかし、大人になった現在であれば、プラシーボ効果を自覚した上での意識や考え方をすれば、それはあなた自身の行動の質やモチベーション向上、結果にまで大きく影響を与えることができるのです。
次章からは、具体的な活用方法をご紹介いたします。
自分の可能性を広げる「ポジティブな思い込み」の活用法
まずは、「ポジティブな思い込み」をすることは、どんなことに効果をもたらすのか、そして具体的にどのように思い込むのかをみていきましょう。
目標の達成に効く活用法
目標を見て、「無理だ」「自分にはできない」と思いながら取り組んだり、目標を「ノルマ」と捉えて取り組んだ場合、奇跡が起きない限り、達成することはできません。
目標を達成するためには、
・「達成したときにどんな変化が自分に起こるのか」
という2つのことを考えましょう。
1つ目は、達成後の自分に対する効果やメリットを言葉で表現して認識することで、目標達成に対するモチベーション向上につながります。
2つ目は、達成するための具体的な行動を考えることになり、考えた上で行動することは必ず目標達成につながります。
自己成長につながる活用法
何かに新しく取り組むときや新しい仕事を任せられたときに、読者の皆様は何か目的を持ってから取り組まれていますか?
「意味がない」と思って取り組めば、絶対に意味のないものになってしまいます。
しかし、「必ず意味がある」「意味のあるものにする」と考え、何かを得ようと思って取り組めば、必ず得るものはあり、意味のあるものへと変わります。
「常に目的意識をもって、取り組み続けること。」
この積み重ねにより、人は大きく成長することができます。
どんな思い込みをするかで効果が変わってしまうなんて、ちょっと不思議ですよね。
周囲の人と良好な関係構築に効く活用法
「嫌いな人はいますか?」と聞かれて、「いないです」と答える人は少ないはず。
また、「なぜその人のことが嫌いなのか?」と聞かれたら、「自分勝手なところがあるから」というように、その人の性格を嫌いな理由にする人が大半なのではないでしょうか。
ここで、嫌いなところを「その人の一番の特徴」と考えてしまうと、今後その人のことを好きになれる可能性はほとんどないでしょう。
例えば、あなたが嫌いな人は、自分勝手な部分もあるが、誰にも負けない勇気を持っていたりと、他に良いところがあるかもしれませんよね。
そう、「あの人の性格は自分勝手」とそれだけに限定してしまうことは、まさに思い込み。
そして、「嫌い」と思って接することで、その気持ちは必ず相手にも伝わってしまいます。
「自分と同じように、人には必ず良いところと悪いところがある」と考えて、周囲の人を見て、接してください。
すぐには変化はないかもしれませんが、あなた自身の態度や反応などは少しずつ変わり、どんな人とも良好な関係を築けるようになります。
人生を変えたいと思っている人に効く活用法
「あなたは、何を目的に生きていますか?」「どんな人生を送りたいですか?」と聞かれたら、答えられますか?
もし今、人生を変えたいと思っているのであれば、現状に満足していないからでしょう。
なぜ満足していないかというと、自分自身で「自分の理想の生き方」を言語化できていないからではないでしょうか?
人生を変えたいと思うならば、まずは自分自身がどんな人間で、どんな生き方をしたいと思っているのか、明確な言葉にして考えていきましょう。
「これが理想の人生だ」と強く思い込むことは、あなたは自分の人生目標を叶えることが全ての価値判断基準となり、今日からあなたの言動は大きく変わっていくでしょう。
気をつけたい!3つの「ネガティブな思い込み」
続いては、「ネガティブな思い込み」のもたらす効果と改善方法をご紹介いたします。
マイナス発言による思い込み
仕事やプライベートにおいて、「無理」「だるい」「面倒くさい」など、マイナスの発言が口癖になってしまってはいませんか?
これは無意識の口癖であることが多いようですが、実はちょっと危険な状態と言えます。
なぜなら、たとえ無意識だとしても、言葉として発言してしまうことで、脳に記憶されてしまうから。
つまり、「めんどくさい」と口にすることは、「その行動はめんどくさいことだ」と自分に思い込ませてしまうのです。
結果、行動することに高いモチベーションを持つことはできなくなり、効率が悪化し、最終的に期待値を大きく下回ることになるでしょう。
改善方法としては、残念ながら自分で気づくことはできないため、周囲の人が「やってもいないのに、無理と言わない」などと、発言を修正するよう言い続けるしか方法はありません。
「頑張ろう」発言による思い込み
責任感の強い人に多い口癖ですが、やらなければいけないことに追われたとき、もしくはお願いされたことを無理して引き受けたとき、人は自分を奮い立たせるために、「頑張ろう」と言います。
一見、自分のモチベーションを上げるために思えますが、「頑張ろう」と発言することで、自分を追いつめてしまうケースがあります。
周囲に相談できる人や、気づいて声をかけてくれる人がいれば問題ありませんが、そういった人がいない場合、何かがきっかけで壊れてしまうことがあります。
人はロボットではないので、精神的な負荷への耐性のキャパシティは人それぞれ。
壊れてしまうと、食欲不振や目眩(めまい)、頭痛から、うつ病の発症などに至るケースもあります。
「頑張ろう」ではなく、「やってみよう」と発言することで、心への負荷は軽減されますので、意識して「やってみて」ください。
愚痴や悪口を聞くことによる思い込み
自分自身というよりは周りからの悪影響による例として、愚痴や悪口による思い込みがあります。
多くの人は、ストレス解消の手段として、人の愚痴や悪口を言います。
そして、愚痴や悪口には、話す対象=聞き手が存在し、この聞き手は繰り返し聞くことで、対象のイメージはマイナスのものになっていきます。
はじめは悪口を聞いているだけだったのに、いつの間にか、あたかも自分が抱いた感情かのように思い込むようになるのです。
元々何も思っていない相手でも、愚痴や悪口を聞き続けることで、聞き手役はいつしか話し手と同じ感情を持つようになり、接するときの態度もそれなりのものになってしまうでしょう。
ケンカの仲裁をするときや裁判のとき、双方からの意見を聞くのは、中立の立場の人が公正な判断をするためです。
あなたが聞き手役になることがあれば、「そういう一面もある」という認識にとどめるようにしましょう。
最後に
「思い込みの力=プラシーボ効果」について解説してきましたが、思い込みの力を最も発揮するためには、「明確な表現による自己理解とこれからの目標・目的」を常に意識することが大切なのを忘れないでください。
どんなことも、全てはあなた次第。
あなたが、どんな風に考え、どんな行動をするかで結果は必ず大きく変わります。
「思い込みの力」を上手に活用して、あなたの可能性を広げていきましょう!