「モチベーション」と「やる気」、どちらも普段の生活でよく聞く言葉ですよね。
そしてどちらも高い水準の状態にあると、日々の内容がより充実します。
しかし、「やる気を上げよう!」「モチベーションを高めよう」!と奮い立たせてもなかなかうまくいかず、落ち込んだり、自分を責めてはいませんか?
それらを克服するために、「モチベーション」と「やる気」の違いを知り、それぞれの効果的な高め方をマスターしていきましょう。
目次
モチベーションとやる気の違い
モチベーションとやる気、この二つの言葉の違いは、「行動をする前の気持ちか、行動をしはじめてからの気持ちか」です。
・やる気は行動を継続していく力
ともいえます。
モチベーションとは「動機づけ」
「モチベーション」という言葉の意味ですが、国語辞典で調べてみると「動機づけ」と出てきます。
また、その動機がどこから生まれるものなのかによって、モチベーションは次の二つに分類されます。
外発的モチベーション
外発的モチベーションは報酬によって発生したり、相手からの評価などが要因になります。
いずれの場合も、自分の外側にあるものによって生み出されます。
内発的モチベーション
「自分はこうなりたい!」という欲求や目標、「これは面白そう!」といった好奇心などの、自分の内面から生まれるモチベーションを内発的モチベーションといいます。
やる気とは「継続しようとする気持ち」
「やる気」は、行動を継続するために必要な気持ちです。
この気持ちがなければ、行動をやり遂げることができません。
こうしてみてみると、「モチベーション」は行動をしたいと思う要因であり、「やる気」は実際に行動し続けるためのエネルギーという意味の違いがあります。
モチベーションの上げ方
モチベーションには外発的モチベーションと内発的モチベーションがありますので、それぞれの上げ方や注意点を見てみましょう。
外発的モチベーションの上げ方と注意点
上げ方は「報酬を上げる」
外発的モチベーションを上げたい場合は、報酬ですと「金額や与える」「物品の価値を上げる」などの方法があります。
評価であれば、「褒めること」や「昇格」などが挙げられます。
また、安定した報酬が得られる(保証される)ことでモチベーションが維持されます。
たとえば、頭ごなしに否定せずに、まずは相手を褒めると、相手のモチベーションは上がりやすくなります。
上げるのは簡単だけど維持は難しい
報酬によってモチベーションが高められ維持されている場合、報酬が下がってしまうと、当然モチベーションは下がります。
また、報酬が下がらなくても、横ばいの状態が続くと徐々にモチベーションが下がっていきます。
与えられる報酬にも限界がありますし、いったん上げた報酬を下げると一気にモチベーションが下がってしまう危険性があるため、やみくもに報酬を上げるのも良い方法とはいえないでしょう。
このように外発的モチベーションは手軽に上げられる反面、維持することは難しいという面も持ち合わせています。
ここで、真にモチベーションを維持するためには、内発的モチベーションが大事になってきます。
内発的モチベーションの上げ方と注意点
上げ方は「自分のツボを探す」
内発的モチベーションは、自分が感じたことや考えたことに基づきます。
目標ができたり、「面白かった!」という実感が得られればモチベーションが高められます。
ですので、内発的モチベーションを上げるためには、自分が「面白い」と思うポイントを知っておく必要があります。
おすすめの方法は、1日の終わりに、その日1番心が動いた、楽しかったことをメモしておくことです。
1か月間続けることで、自分の「面白い」と思うポイントが最低30個はたまりますよね。
メモに書き出した30個を分類することで、どんな行動をしているとき楽しいと感じるか、自分のツボが見えてきます。
自分のツボを押すことで、内発的モチベーションを上げることができます。
内発的モチベーションが下がってしまうとき
内発的モチベーションは、外発的モチベーションにより下げられてしまうことがあります。
それをアンダーマイニング効果と言います。
有名なのが、エドワード・デシ教授の『パズル実験』です。
この実験では、実験前に学生たちに与えられたパズルを好きなように楽しんでもらい、ある程度楽しんでもらったところで学生たちを二つのグループにわけます。
片方のグループには、パズルをひとつ解くごとに決まった報酬を与え、もう片方のグループには報酬について何も知らせず、報酬なしで実験を開始しました。
実験では各グループ一人ずつ、決められた時間内にパズルを解かせました。
また、途中で休憩のための自由時間を設けました。
すると、報酬を設定しなかったグループは「パズルが面白い」という「内発的モチベーション」により自由時間もそのままパズルを楽しみ続けました。
その一方、解くごとに報酬を与えられると約束されたグループでは、決められた時間内では引き続きパズルを行いましたが、自由時間ではパズルから離れ休憩をしていました。
報酬を与えることで報酬に見合った以上のことをしなくなったのです。
これは、実験前にあった「パズルが面白い」という「内発的モチベーション」が、「報酬」という「外発的モチベーション」によって下がったことを証明しました。
このように、内発的モチベーションを低下させてしまう可能性があるので、外発的モチベーションの扱いには注意が必要です。
報酬などに頼らない、内発的モチベーションの向上や維持がより重要になり、「やる気」を上げることにも繋がるのです。
やる気の上げ方4つ
やる気は「継続しようとする気持ち」でしたね。
やる気を上げるためには、目標の設定や自分の気持ちといった内面の部分が重要なカギとなります。
それは、内発的モチベーションとも通じています。
内発的モチベーションを上げることは、外部の要因に左右されないやる気を手に入れることにつながるのです。
①目標を設定する
仕事や趣味、生活の中で目標がないと、行動し続ける気持ちは下がってしまいます。
最終目的地へ向かう途中に、いくつか小さな目標を用意しておきましょう。
ポイントは、自分が少し頑張れば達成可能で、達成感の得られやすい目標です。
②「でも」「どうせ」を減らす
すぐに達成できる目標を設定したとしても「でも面倒だな…」とか「どうせできないし…」といったふうに、「でも」や「どうせ」でやる気を封じ込めていることはないでしょうか。
もし、そのような思考の癖がある場合は、「でも」や「どうせ」を少しずつでも減らしていけるようにしましょう。
ネガティブな思考の癖を改善することは、やる気を高めやすくします。
「楽しそう!でも…」というように、楽しいことや面白そうなことを、「でも」や「どうせ」で消してしまうことを防いでいきましょう。
③とりあえず手をつける
たとえやる気が起きなくても、とりあえず手をつけてみてください。
5分でも10分でも構いません。
手をつけてみると、気づけば夢中になっていたり、「面白い」と感じるようになり、後からどんどんやる気が出てきます。
やる気が出てしまえば、行動を継続することも簡単です。
まずは行動を起こすことで、やる気は後から出しましょう。
④「どんな行動にも意味がある」と捉える
やる気を妨げる要因に「損得勘定」があります。
「これをしたら得か損か」「これをすることに意味があるのか」という思考が、やる気をなくさせるのです。
そんなときは、「どんな行動にも意味がある」と意識しましょう。
人間のコミュニケーションに関する新しい学問、「NLP(神経言語プログラミング)」の基本前提にもこのような説明があります。
このように、ポジティブな捉え方ができると、やる気を上げやすい体質になりますよ。
やる気が上がらないときの対処法
①少ないやる気でもできるものを用意しておく
「今日はやる気が上がらないかもしれない」というときに取り組めるものを用意しておくのもよいでしょう。
あまり体力や頭を使わない単純な作業などです。
そのときのやる気に応じた選択肢があると、やる気がなくても行動を継続しやすくなります。
②体を休める
やる気が全く起きない場合は、体を休めることも考えてください。
たとえ目標や楽しいことが目の前にあったとしても、疲れていては行動もできません。
休むことも、今後のやる気のためには必要なことです。
自分の中で、何をすると心も体も休まるのかを把握しておきましょう。
長時間の睡眠、カラオケ、カフェでのんびり過ごすなど、自分はどうしたら休めるのかということを知ることで、しっかりと休息をとることができます。
最後に
モチベーションとやる気の2つの言葉についてご紹介しました。
「モチベーションや、やる気を上げるのって難しそう」と感じていた方も、こちらの記事で紹介した方法を一度実践してみることをおすすめします。
自分のことについて理解することで、今後の仕事やプライベートもより充実したものにしていきましょう。