『SMARTの法則』という目標設定はご存知ですか?
Measurable:計量可能である
Assignable:割り当てが適切である
Realistic:現実的である
Time-related:期限が明確である
の頭文字をとったものです。
今回は、
・周りには自分と同じ条件なのにも関わらず、着実に成果を上げている人がいて悔しい
こういった思いがある方に向け、『SMARTの法則』による目標設定方法をご紹介します。
目的を達成できる人に共通するのは、目的に向かう途中に適切な目標を設定している点です。
とっても簡単なので、ぜひ実践してみてくださいね!
目次
目標設定方法 『SMARTの法則』とは
『SMARTの法則』は、目標を設定するにあたっての要点5つを頭文字で表した指針となるものです。
Measurable:計量可能である
Assignable:割り当てが適切である
Realistic:現実的である
Time-related:期限が明確である
Specific(具体的である)
「Specific」は、目標設定の基本となります。
せっかく意識して目標を立ててみても、その内容が「みんなで頑張る」や「成績を伸ばす」といったような抽象的なものだと、その目標が達成されることは難しいでしょう。
そもそも、今挙げたようなものだと、目標のゴール地点がどこなのかすらハッキリとわかりません。
個人、集団を含めて、曖昧に掲げた目標では、達成に向けた意識は低くなってしまいます。
「具体的に」何を目指すのか?という点を明瞭に定めて目標に具体性を持たせることで、スタートとゴールを明確にし、達成に至るまでのビジョンをしっかりと持つことができます。
Measurable(計量可能である)
「計量可能である」とは、目指すべき目標が数値で提示されていることを指します。
社会活動で例えるならば、「売上を〇%上げる」といったような目標です。
これは、一個人だけではなく、他の誰かと協力して目標の達成を目指す場合にも非常に役に立ちます。
目標とする数を共有することで、進捗状況や今後のスケジュールを円滑に認識し合えるようになるのです。
逆にこの数値が曖昧なままだと、スケジュール管理が上手くいかず期限に間に合わなかったり、達成感がぼやけてしまい(達成したかどうかがわからないので)モチベーションが低下してしまったりするでしょう。
Assignable(割り当てが適切である)
「割り当て」とは、簡単に言えば役割分担のこと。
これは、特に組織として目標に取り組む際に重要となります。
抑えるべき企業理念の一つとしてよく挙げられる「適材適所」の形がこれに当たります。
個人の能力や人柄、集団活動において、担うべきポジションなどを適切に人員配置することで、作業の効率化を上昇させます。
これを目標として組み込むことで、個人個人が自分の担うべき役割をしっかり認識することができるのです。
「自分が何をすべきか」を具体的に定めることで、目標意識の向上を計ります。
Realistic(現実的である)
ここまでの法則を元に設定した目標も、実際に現実させることが難しければ、結局意味がありません。
「今週中に20キロ痩せる」と目標を立てたところで、それが実現不可能なのは取り組む前の段階からわかります。
そもそも立てた目標は達成可能なのかどうかを明瞭にしなければ、せっかく立てた目標も頓挫(とんざ)してしまいます。
理想を持つことは大切ですが、それは言うなれば「目的」であり、今回解説している「目標」とは、理想(=目的)を達成する道のりのチェックポイントのこと。
掲げようとしている目標は実現可能なのか、よく吟味した上で目標を設定しましょう。
最後の法則は「Time-related」についてです。
期限のない努力は、往々にして途中で失敗に終わることがほとんど。
目標に「取り組む期限」を設定することは、適度に緊張感を持つことや、モチベーションを維持するためにも非常に重要な役割があります。
筆者が子供の頃、夏休みの宿題をギリギリに始めて悪戦苦闘する友人がいました。
早めに終わらせれば焦ることはないのにと諭したのですが、彼は「期限が差し迫った状況じゃないと頑張れない」と言うばかりで、私の助言には一切聞く耳を持ちませんでした。
一見すると失敗談のように思えるかもしれませんが、要するにその友人は、自分のモチベーションを理解した上で、宿題に取り組む期間を自分にとって最も効率的に設定していたとも言えるのです。
実際、彼は始業式にはちゃんと宿題を提出していました。
確かにスケジュール的に余裕があるに越したことはありませんが、目標に取り組む上で最適な期限設定というものも、また別に存在します。
最後に、もう一度『SMARTの法則』をわかりやすい言葉に言い換ると
M:どれだけやるのか
A:なにをするのか
R:そもそもできるのか
T:いつまでにやるのか
ということになります。
この5点を目標に反映させることで、目標達成の確率は格段に上がります。
目標設定の例『読書の習慣をつける』
『SMARTの法則』を使って、実際に目標を立ててみましょう。
「読書の習慣をつけよう」と思い立ったとします。
この場合、定期的に本を読む習慣を身につけることが最終的な目的になります。
なので、それを実現させるための目標を『SMARTの法則』に基づいて定めてみます。
①S(具体的である)とA(割り当てが適切である)
これはもう言わずもがな「本を読む」ことが該当します。
それだけでは曖昧なので、この例では読書に充てる時間をどこから捻出するのか決めた上で、以下のように目標を立てます。
②M(計量可能である)とT(期限が明確である)
次に、本の冊数と、その期間を決めましょう。
スケジュールを管理しやすい点を考慮して、わかりやすく
と定めます。
①の目標と合わせてみます。
③R(現実的である)
最後に、「就寝前の1時間で、1ヵ月で10冊本を読む」は実現可能か検証してみましょう。
単純計算で、
がノルマになります。
1日の内に確保する時間は1時間なので、
で本を読んでいく必要があります。
本の内容や、個人の読書スピードにもよりますが、これは十分に実現可能な数字だと言えます。
組織で『SMARTの法則』による目標設定をする場合
上記の例は個人的な目標ですが、組織内で目標を掲げる場合でも基本的なことは同じです。
・「営業成績を伸ばす」→「取引先への訪問回数を週に1回増やして、今月の契約獲得数を2件増やす」
どのような目的に対しても、それぞれの要素をしっかりと取り入れれば、達成可能でかつ効果が望める目標を設定することは十分に可能です。
目標設定が必要な人の3つの特徴
『SMARTの法則』による目標設定方法を説明しましたが、目標設定が必要な人はどんな人なのでしょうか?
なんとなく「自分には関係なさそうだな」と思っていても、後から自分にこそ必要だったと気づくかもしれません。
そもそも、目標とは何なのか考えてみましょう。
目標とは、目的地へ向かう道程において、各要所に設けたチェックポイントのことを指します。
ゴールへの道を誤らないための目印です。
つまり、社会活動における目標設定には、目的とした成果に至るまでの行程確認や、全体のスケジュールを吟味しつつ作業を進めるための意味合いがあります。
よく混同されていますが、目的と目標は違うものです。
この認識だけで、目的(ゴール)を達成できるかどうかは大きく左右されると言っても過言ではないでしょう。
これを踏まえた上で、目標設定が必要な人の特徴を自分と照らし合わせてみてくださいね!
①気づくと期限に間に合っていない
・作業に着手しているのに進みが悪い
・期限内に作業の完了が間に合わない
そういった悩みを抱えている人は、作業工程のスケジュールや進捗を確認するという意味で、目標の設定は非常に有用。
むしろ、作業が期限を越えてしまう原因が、目標を設定していないことである場合が多いです。
②モチベーションが維持できない
目的を達成するまでの間で、モチベーションが落ちてしまう。
途中で飽きたりダレたりしてしまう。
これは多くの場合、目的達成までの行程の進み具合を実感しづらい状況で陥りやすいケースです。
目的地までの距離(作業に取り組む期間)が長ければ長いほど、モチベーションの維持は困難になります。
ある程度短期間で区切ったチェックポイント(目標)を設けることで、飽きやダレを改善できます。
③これから新しいことに取り組みたい
事業でも趣味でも何か新しいことに挑戦しようと思っている人は、その取り組みを継続するために、まず目下の目標を設定することがオススメ。
新しい取り組みが有意義なのかどうか、今後取り組み続けられるかどうかを見極められます。
目標設定方法『SMARTの法則』まとめ
目標設定とは、物事を進めるスタート地点でもあります。
非常に重要なことですが、ここでつまずいてしまう人は意外に多いのです。
最終的に達成できるかどうかはまた別の話になりますが、少なくとも本来取り組めたものが、スタートでつまずいたせいで頓挫してしまうのは非常にもったいないこと。
これは筆者自身の考えですが、目標の達成率が上がる最大のメリットは、得られる経験値がそれだけ増える点にあると思っています。
失敗を恐れてしまうのは仕方のないことではありますが、失敗から得られることも多く存在します。
目標設定は、達成率を上げるためでもあり、得られるモノを増やすためでもあります。
今回ご紹介した目標設定の方法が、みなさんの力になれましたら幸いです。