「中だるみ」という言葉をきいて、皆さんは意味がわかりますか?
普段の生活の中では、あまり使うことはありませんが、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
「中だるみ」とは、目標の実現に向けて頑張っていたのにも関わらず、頑張っている途中で、当初ほど頑張ることができなくなってしまった状態のこと。
受験勉強や長期休みの宿題など、目標達成までの期間が1か月以上あるときに、中だるみは起きやすいと言われています。
今回は、中だるみの原因を分析し、その上で中だるみを防ぐ対策を紹介していきます。
やる気はあったのになぜ?中だるみの原因
目標を立て、目標実現のために頑張り続けることは、容易なことではありません。
頑張り続けることができる人のほうが少数で、多くの人は途中で頑張れなくなってしまいます。
これまでの中だるみの経験を振り返ったときに、自分自身のやる気の継続が原因と考える人もいるようですが、実は、やる気の継続は原因ではありません。
対策をご紹介する前に、中だるみしてしまう原因を3つ解説します。
余裕と過信
1つ目の原因は「余裕と過信」です。
過去の、中だるみした経験を思い出してみてください。
短期的な目標を実現する場合、中だるみの経験はゼロではありませんか?
そして、中長期的な目標の場合に中だるみしていませんか?
「自分が本気を出せば、これくらいの量なら数日あれば終わるだろう」
などと考えて、自分を甘やかした経験はありませんか。
そして、この余裕や過信からくる自分への緩みは、多くの場合1日だけではなくならず、その後、何日も続き、結果「中だるみ」へと続いてしまいます。
慣れと緊張の緩み
2つ目の原因は、「慣れと緊張の緩み」です。
個々人の性格によって差はありますが、他の動物と違い、人間は1つのことだけを続けることが苦手だと言われています。
なぜなら、人は1つことを続けることによって、当初のような新鮮味はなくなり、緊張感も薄れていき慣れが生まれ、「またこれか・・・」と飽きてしまうから。
そして、この感情が動かなくなる状態のことを「マンネリ化」といいます。
これは、特に仕事に影響を与える原因でもあります。
社会人であれ、アルバイトであれ、多くの仕事は3年も継続すれば、一通りのことはできるようになる言われています。
3-4年の周期で転職を考える人が多いのも、仕事がマンネリ化してしまうからでしょう。
実感のなさ
3つ目の原因は、「実感のなさ」です。
・「将来、英語に関わる仕事に就きたいから、学生のうちから英語の勉強をしておこう」
などと期限なく取り組んでいるものの場合、今自分がやっていることが本当に意味があるのか、やっているけど自分の力になっているのかが実感が持てないことで、モチベーションが低下していき、いつしか取り組めなくなってしまいます。
中だるみから抜け出したい!対策法とは?
中だるみの原因が、やる気の継続でなく、3つの原因であることを認識していただいたところで、ここからは中だるみしないようになるための対策方法をご紹介します。
対策方法の紹介にあたり、モチベーションを維持させるための観点と、継続できる仕組み作りの観点の2つを紹介します。
モチベーション維持
目標達成の効果を常に意識する
中だるみする前に、効果やメリットを日々意識することは、自分を奮い立たせるには効果的な手段となります。
日々、自分の目標がどれだけ達成されているのかを確認しましょう。
できていなかった場合でも、何がいけなかったのかを考え、次に活かすこともできます。
取り組むときは、簡単なものから始める
目標を決めて取り組み始めるときに、最初から難易度が高かったり、面倒くさいと感じてしまうようなことから始めないことも重要です。
取り組む前から大変そうだと思ってしまえば、モチベーションは上がるどころか冷めていく一方です。
自分自身に勢いをつけるためにも、取り組み始める際には、簡単なものから始めていきましょう。
環境を変える
「部署異動」や「ジョブローテーション」という仕組みは、まさに環境を変えるにはとても有効な制度と言えます。
原因でも解説しましたが、人は繰り返し取り組むことで、対象に対して緊張感は薄れていき、いつしか慣れてしまい、最終的には飽きてしまいます。
だからこそ、「部署異動」「ジョブローテーション」することで、新たな環境を作り、新鮮味を感じさせ、緊張感を持たせるのです。
このように、新たな環境はモチベーション向上に繋がることから、仕事において部署異動やジョブローテーションが定期的に行われています。
刺激になる人と話す
あなたの周りに、目標達成に向けて頑張っている人はいませんか。
もしそういった人がいるなら、その人と話してみてください。
高い目標を持っている人ならば、目標の理由や達成のために取り組んでいることを聞くだけでも、「自分も頑張ろう」と思えるきっかけになるでしょう。
継続できる仕組み
1つの大きな目標に対して小さな目標を複数設定する
大きな目標を達成することは簡単なことではなく、また達成するために長い期間が必要とされます。
そして、どんなに達成したいという思いが強くても、やる気だけでは取り組み続けることはできないでしょう。
そこで小さな目標を細かく設定することで、達成するための行動はより具体的になり、小さな目標でも達成できれば、達成感や成長の実感となります。
達成感や成長の実感ができれば、モチベーションは上がり、取り組み続けることができます。
定期的なフィードバック機会を設ける
自分自身で意味を自覚させるためには、定期的に振り返る機会を作ることが必要です。
学生の頃の「模擬試験」や「中間試験」が例です。
模擬試験を実施し、これまでやってきた受験勉強の成果を志望校に対する合格判定で自覚させたり、各学期ごとの学びを復習する機会のために中間試験を実施しているのです。
宣言する
周りの人に目標を宣言したり、誰もが見られる場所に目標を貼り出すことで、自分を甘やかすことができなくなります。
小学生時代は、教室に一年間の目標が貼りだされていませんでしたか?
仕事では、「人事評価シート」や「目標設定シート」と呼ばれるものを作成したことありませんか?
これらは全て、『宣言する=コミットさせる』ことで、継続を狙っている施策なのです。
中だるみしたときのおすすめの休息法
中だるみしないように、どれだけ対策を講じたとしても、私たち人間はロボットではないので、中だるみしてしまうことはなくなりません。
中だるみしてしまったときは、自分を奮い立たせて頑張ることも必要ですが、頑張りすぎて自分を追い込みすぎてしまい、悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
そのため、時には休憩することで、心を休ませることも大切です。
ここでは、おすすめの休息方法をご紹介します。
睡眠をしっかりとる
当然のことですが、しっかり寝ることで身体も心も休ませることができます。
緊張状態が長く続いてしまうと、どこかのタイミングで緊張の糸が切れたときに、そこから復帰するには大変な時間がかかってしまいます。
だからこそ、根を詰めて頑張るだけではなく、しっかりと睡眠を取るようにしましょう。
違うことをやってみる
マンネリ化を防ぐためには、別のことに取り組むのがオススメです。
別のことに取り組み、気分をリフレッシュさせましょう。
勉強であれば、違う教科をはさんでみたり、仕事であれば、違う作業を行ってみてください。
そうすることで、モチベーションの回復に繋がっていきます。
最後に
仕事であれ、プライベートであれ、より良い人生にするためには目標を設定することは必要です。
しかし、目標を達成することは容易なことではなく、人間は行動に感情が伴ってしまう生き物であるため、中だおれしてしまうことは仕方のないこと。
しかし、そうは言っても、何度も中だおれしてしまい、目標も達成できていないのであれば、なぜ自分が何度も中だおれしてしまっているのか振り返ってみてください。
原因が明確にわかっていなければ、対策は考えようがありません。
必ず、あなたならではの理由や原因があるはずです。
原因を明確にし、あなたの目標を達成するために必要な対策を講じ、あなたの望むより良い人生を実現してください。