職場が変わったり、住む場所が変わったり、周りの人が入れ替わったり、私たちの生活の中で「変化」は数多く存在します。
では、そういった「新しい環境」を怖いと感じてしまうのは、一体なぜなのでしょうか。
今回の記事では、その不安の理由を解き明かし、新しい環境に適応していくための6つのコツをご紹介します。
新しい環境に不安を感じる理由
慣れない環境に不安を覚えるとき、その理由や原因について、なかなか深く考えることはありませんよね。
それよりも、「ただ漠然と不安」といった感情を抱く方が多いのではないのでしょうか。
しかし、その理由を分からないまま過ごしていると、不安という印象ばかりが生活に染まっていき、慣れるまでの道のりはどんどん遠くなってしまいます。
「分からない=理由がない」ということではありません。
人によりそれぞれですが、不安の原因は必ず存在します。
原因が分かれば、不安に対処することはずっと簡単になるので、一緒に考えていきましょう。
①人は「未知」を怖がる
人が怖いと感じる根本的な理由の1つが、知らないことです。
知らない、見たことがない、分からない、と感じることは、多くの人にとって恐怖なのです。
人が死を恐れるのは、人が死んだ後どうなるのか分からないことが理由の1つだとも言われています。
未知な物事と関わることは、確かに多少のリスクを伴います。
美味しいと分かっているお店と、全く情報のないお店が並んでいれば、美味しいことが分かっている店に入りたくなりますよね。
新しい環境に慣れていく上で、「未知」を解決することが、不安を解くための糸口となります。
②人と関わることが苦手
環境が変われば、周囲の人も変わります。
新しい場所での生活が始まるとき、まずはじめに問題となるのが人間関係です。
人付き合いが苦手な人にとって、新しいコミュニティを築くことはとても大きな壁。
コミュニティの空気感や、自分の印象など、気を配らなければならないことが数多くあり、周りから信頼を得ることは一朝一夕でどうこうなる問題ではありません。
慣れ親しんだ環境があればあるほど、新しい環境とのギャップに戸惑ってしまうでしょう。
実際に、自分が望んだ環境に身を置けたのに、周囲との関係が上手くいかず、挫折してしまうというケースはよくあることです。
このような方は、人との関わりを上手くこなせるかどうかが1つの山場になります。
③今の環境から離れるのが嫌だ
新しい環境に対して不安がなくても、今の環境を手放すのを不安に思うことはありませんか?
前項でも少し触れましたが、慣れ親しんだ環境は心の安らぐ場所ですが、次の一歩を躊躇ってしまう足枷にもなってしまうのです。
古巣から離れがたいのは、誰もが同じ。
しかし、「前はこうだったのに」「あの人ならこうだったのに」と、古巣と今の環境を比較してネガティブになってばかりでは、いつまで経っても新しい環境に慣れないままでしょう。
今、自分がいる場所を「自分の居場所だ」と思えるようになる必要があります。
④そもそも望んだ環境の変化ではない
環境の変化は、必ずしも自分の意思で起こるものとは限りません。
人員的な問題や、家庭の事情など、仕方なく新しい環境に身を投じるケースは珍しいことではありませんよね。
しかし、頭では仕方がないと分かっていても、感情が状況に追いつかないことで、ストレスとなってしまうことも。
酷くなれば、仕方ないと思っていたことも、「どうして自分が」と、理不尽にすら思えてくるかもしれません。
そういった状況を避けるためには、生活の中で「良いこと」を見つける努力が必要です。
自分にとってのメリットが見つかれば、過去と今とを比較することもだんだん減っていくでしょう。
意思に反する環境の中では、どれだけポジティブになれるかが重要なポイントになるのです。
「新しい環境が怖い」への対処法とは?慣れるまでのコツ6選
ここからは、実際に新しい環境に慣れていくためのコツをご紹介します。
意識の変え方や行動のポイントについて抑えて、円滑に生活を送れるようになりましょう。
①基本は礼儀正しく
新しい環境で人間関係を築く上で、礼儀は基本中の基本。
世の中には初対面の人でも簡単に仲良くなれる人が少なからずいますが、無理をして真似しようとしても、上手くいく可能性は非常に低いです。
急に距離を詰めて、それが受け入れられるのは、行動が受け入れられているのではなく、その人の人柄や空気感が受け入れられた結果だという場合が多いからです。
気安く、フレンドリーである振る舞いが、その人に似合っていないと逆効果になってしまいます。
信頼関係を築くのならば、焦りは禁物です。
急いで周りと仲良くなろうとすると、大抵の行動は裏目に出てしまい、致命的な溝を産んでしまうかもしれません。
新しいコミュニティで仲を深めるのならば、適度な距離感で周りと接することを心がけましょう。同年代、同僚だとしても同様です。
いきなりタメ口で話すのではなく、礼儀を大切にしながら徐々にコミュニケーションをとっていきます。
千里の道も一歩から。
まずは最低限の常識を持っていることをアピールできれば、出だしで失敗する可能性は少なくなるでしょう。
②自分のプロフィールを発信する
人が未知を恐れることは前項で説明しましたが、それは自分の周りにとっても同じこと。
周りの人たちも、あなたに対して未知を感じているのです。
日常のコミュニケーションの中で、自分のことについて話すことで、相手の感じている未知を消してあげましょう。
相手の警戒心が解ければ、自然と相手も自分のことについて話してくれるようになります。
注意点は、自分のことばかりを話し過ぎないこと。
あくまで話すのはコミュニケーションの中でのことです。
ただの話好きだと思われてしまうと本末転倒になってしまうので、気をつけていきましょう。
③お気に入りの場所を見つける
よく行くカフェや、好きなご飯屋さんなど、自分にとってのお気に入り場所の有無で、新しい環境に慣れるまでのスピードは大きく変わります。
新居や新しい職場などの周辺を散策してみて、そういった自分の居場所を探してみましょう。
日常の中で楽しみを得るためのルーティンが定まれば、ストレスばかりに目が行きがちな新生活の負担が格段に減ります。
お店ではなくても、周りの風景が綺麗な散歩道や、落ち着ける公園などでも十分です。
大事なのは、日常に「楽しい」という印象を持たせるためのきっかけを得ること。
オンとオフを切り替えるためのスイッチとしてもとても有用なので、ぜひ実践してみてください。
④悩みを相談できる人を見つける
同期や先輩、友人など、自分の悩みを聞いてくれる人はとても貴重な存在です。
「困ったらこの人に話そう」と思える人を、早い段階で見つけておきましょう。
新しい環境での生活で1番恐ろしいことは、頼れる人が全くいないという状況です。
悩みを吐き出すことができず、自分の中で溜め込みつづけるしかない状況では、精神的に追い詰められてしまいます。
辛いときに「辛い」と言うことができるだけで、心の負担はずっと楽になります。
ちょっとした愚痴を話せるだけでも、気持ちはスッキリするでしょう。
⑤自分なりの楽しみを探しながら挑戦する
新しいタスクを負ったときは、それを楽しむための要素を探しながら挑戦しましょう。
望んだ仕事に就ける人は、極わずかです。
大抵の人は、「仕事だから」という理由だけで、日々業務に勤しんでいます。
しかし、楽しく仕事ができない環境は、良くも悪くも長続きしません。
新しい環境に慣れるためにも、仕事を楽しく感じつつ、新しい環境へポジティブに関われるようになる必要があります。
どんな仕事にも、その仕事でしか味わえない、やりがいや楽しみがきっとあるはず。
それを見つけるためにも、色々なことに前向きに挑戦するように心がけてみましょう。
⑥新しい環境は恐いことばかりではない
ちゃぶ台を返すようですが、新しい環境で知らないことや人と関わっていくのは、人生の中でも非常に貴重な体験です。
特に、社会に出てからとなると、人と知り合う機会も、知らない土地に根づく機会も、ずいぶんと限られてきます。
そんな貴重な体験を、「恐い」だけで終わらせてしまうのはもったいないことです。
これからどんな出会いがあるのか、どんな経験ができるのか、そういったことに期待を持つことができれば、きっと「恐い」という感情よりも、「ワクワク」が大きくなっていくことでしょう。
ポジティブな姿勢でいれば、結果として慣れるまでの段階もスムーズに進んでいきます。
先のことを楽しみに思えるようになれば、未知への恐怖は未来への期待に変わるのです。
プレゼントを開ける前のような心持ちで、次のステージへ進んでみてください。
最後に
何も知らない土地や環境で、新しい生活を始めることはとても勇気がいりますよね。
それを「恐い」と感じてしまうのは、何も不思議なことではありません。誰しもが、自然に感じることです。
大切なのは、「恐く思わないようにすること」ではなく「恐いと感じなくなること」です。
どんなことにも、始まりがある以上、どこかしらで不安や恐怖を感じる瞬間は必ず訪れます。
いざそういう状況に立たされたとき、今回ご紹介したコツが必ず役立つはずです。
何事に対しても「楽しい」と思うことができれば、人生はきっと明るくなります。
不安よりも大きなワクワクを持って、新生活ならではの醍醐味を全力で楽しみましょう!