誰もが知っているウォルト・ディズニーは、ある名言を残しています。
なぜなら、好奇心が旺盛だからだ。
好奇心があれば、いつだって新たな道に導かれるんだ。
(出典:ぴあ『ウォルト・ディズニー 夢をかなえる100の言葉』)
こんな名言が偉人から生まれるほど、好奇心は人生において大切なもの。
なぜなら、好奇心から物事を追求することで、自分が過ごす時間を楽しくすることができるからです。
もし、あなたが「好奇心がない」状態なら、もったいないことかもしれません。
しかし、好奇心がない人でも、今から取り戻すことはできるのです。
好奇心がもたらす特性を知れば、追求することを楽しく感じ、新しいことには前向きに、人生の満足度も向上します。
好奇心とは何か
「好奇心」という言葉を辞書で引くと、「物事を探求しようとする根源的な心」と出てきます。
好奇心には種類があり、ここでは、拡散的好奇心と知的好奇心についてご紹介します。
拡散的好奇心
拡散的好奇心とは、好奇心といえば思い浮かべる、子供のときに誰もが持つ「なぜ?」「どうして?」と知りたがる心です。
ある調査によると、2歳から5歳までの間に、子どもは4万回質問をするそうです。
(参考:光文社 イアン・レズリー著,須川綾子訳『子どもは40000回質問する』)
子どもが抱く疑問は、主に特定の目標を定めず新しい情報を幅広く求める「拡散的好奇心」というものに当てはまります。
拡散的好奇心とは、砂場で遊んでいた子どもがブランコで遊ぶ子どもを見ると、今度はブランコに興味が移るというような最も基本的な好奇心のタイプ。
もしかしたら、あなたが子どものとき、空を見て「どうして空は青いの?」または夕焼けを見て「どうして空が赤くなったの?」と質問したことがあるかもしれません。
それらの疑問は、拡散的好奇心によるものです。
知的好奇心
知的好奇心とは、基本的な好奇心の先にあるものです。
好奇心が発展すると、専門的な知識を自ら深めたい(知的好奇心)というタイプに変わります。
好奇心から知的好奇心の変化の例をあげると、
この積み重ねをすることで、知的好奇心が高まります。
知的好奇心を持つと、自分が興味を持っていることに対し、前向きに取り組む力が身につきます。
その結果、予測と違った結果から、こうしたら良くなるのではないか、と諦めずにチャレンジする力が育ちます。
知的好奇心を持つことは、人生を楽しくするためにとても大切なことなのです。
好奇心とは「生まれつき誰もが持っている」もの
ここまで読んで、自分には好奇心がないと思った方も、実は生まれつき好奇心を持っているのです。
試しに、子どものときと今を比べてみてください。
子どものときは、小さなことでも疑問に思ったことがたくさんありましたよね。
子どもは素直で、分からないことに対して「なぜ?」「どうして?」という疑問が簡単に頭に浮かびます。
そう、子どものときのあなたは好奇心でいっぱいだったはずです。
大人になると「なぜ?」が減ってしまう
子どもの頃と比べて、大人になると、外に出て空が青いことに疑問を抱くことはほとんどないはずです。
なぜなら、物事に対しての判断力がつき、優先順位をつけれるようになるから。
この場合、「なぜ空は青いのか」という疑問を持つより、目の前のやるべきことに集中するべきだと判断し、それを優先させるでしょう。
このように大人は、今まで得た知識や経験を通して、物事に対する予測と、判断ができるようになります。
つまり、勉強や仕事など、自分にとって何を優先すべきか判断し、その上で新しく入ってくる情報に対しては、自分との関連性を考えて取捨選択しているのです。
そのため、子どものときと比べると、新しい情報を取り入れる柔軟さに欠けてしまい、好奇心を持っていないように感じる人が現れます。
自分には好奇心がないと思っている人は、柔軟さが減ったことが原因で好奇心を持っていないように感じているだけなのです。
しかし、子どものときと比べてわかったように、好奇心は誰でも生まれつき備わっているもの。
まずは「好奇心がない」という思い込みを振り払ってみましょう。
失った好奇心を取り戻す方法
ここまで、「好奇心がない」とは思い込みであること、好奇心は生まれつき持っていることをお伝えしました。
それでも、好奇心がない人やすっかり好奇心を失ってしまったと感じている人のために、好奇心を取り戻すための4つの方法をご紹介します。
①先入観を捨てる
先入観だけで物事を判断すると、新しい物事について学ぶチャンスを失ってしまいます。
せっかく興味を持っていても、「周りにいる子たちと違う」「浮いてしまうかもしれない」という考えで行動に移さないのは非常にもったいないことです。
②与えられた情報に対して、疑問を持ってみる
何か知りたいと思ったとき、パソコンやスマートフォンで検索すればあらゆる情報が出てきますよね。
ですが、その情報に対して、疑いもなく「そうだったのか」と鵜呑みにするだけだと好奇心を高めることはできません。
それに対し、「どうして?」「なぜ?」「もしこうだったら」という疑問や仮説を立てることで、自分に課題を与えましょう。
見つけた課題に対し、自分で調べたり、追求して知識を得ることが楽しくなり、好奇心が生まれやすくなります。
③得意だったこと、できたことをもう一度やってみる
部活でやっていたスポーツ、子どものとき好きだったゲームなど、過去に続けていたり、得意だったことを、もう一度やってみたことはありますか?
一度好きだったことや繰り返ししていたことは、少なからず自分が興味を持っていたこと。
時間を置くことで新しい角度で物事に取り組めるため、以前と比較して、新しい気づきや発見があります。
すると、再び興味を持ち、「もっと追求したい」といった好奇心が生まれるかもしれません。
④興味のある人や、好きな人を観察する
特に興味があることが浮かばないという人は、興味のある人や好きな人を観察してみましょう。
誰しも好きな人ができれば、「その人について知りたい」と思ったり、「好かれたい」と思うはずです。
よく、カップルでいると「最初は興味がなかったがパートナーがしていたので自分も始めてみた」という人がいます。
その人を観察するうちに、「その人の感情や考えを知りたい」という好奇心(共感的好奇心)が、自分にも影響して新しい物事に挑戦するキッカケになるのです。
この4つの工夫を取り入れることで、物事に取り組みやすくなるチャンスがきっと生まれてくるでしょう。
失った好奇心は、必ず取り戻せます。
ぜひ一度、試してみてくださいね。
好奇心が人生の満足度を高くする理由4つ
失った好奇心を取り戻せば、人生が楽しくなる!?
ここでは、なぜ好奇心が人生の満足度を高くするのか、その理由を4つご紹介します。
①新しい物事に取り組むことを楽しめる
「好奇心がない」は、物事に対して消極的であるということ。
スマートフォン、自動運転の実現化、キャッシュレス決済など、最新技術によって、日々現代は急激に変化しています。
そんな中、使えれば良い、運転できるから良い、と物事に消極的であると変化を煩わしく感じてしまいます。
一見すると、安定思考とも取れますが、新しい物事に対して学ぶ意欲が強ければ、生活はもっと向上するのです。
②新しい出会いに積極的になれる
先ほどもご紹介した、「その人の感情や考えを知りたい」という共感的好奇心。
これを持つと、人に対する興味からコミュニケーション能力の向上にも役に立ちます。
初めて出会う相手に対しても、会話に積極的に耳を傾け、興味を持って聞くことができるのです。
興味を持って真剣に聞いてくれている人に対して、悪い気がする人はいないですよね。
相手に興味を持つことから、自分も興味を持たれたり、信頼されます。
そして結果的に、良好な人間関係を築くことができ、人生の満足度に大きく影響しますよ。
人間関係に悩んでいる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
人間関係が苦手な原因と良い関係を築くコツ
③失敗から学ぶ姿勢が強い
好奇心が発展すると、専門的な知識を自ら深めたい知的好奇心になる、と説明しました。
知的好奇心を持つと、失敗したり、思っていた結果と予測が違ったとしても、どうすれば上手くできるか自分で考えるようになります。
そして、できた成功体験が喜びとなり、繰り返し取り組むことで、さらに失敗から学ぶ姿勢が強くなります。
このように、トライ&エラーを繰り返すことで、失敗もチャンスに変え、どんどん成功体験が増えていくのです。
好奇心から導かれる成功体験や、そこから生まれた自信が、人生の満足度を高めてくれますよ。
④集中力が持続する
「好きこそ物の上手なれ」という言葉のように、人は興味を持って取り組んでいることに対しては、どれだけ時間をかけようと気にしません。
それほど、興味を持っていることに対する集中力が高いからです。
また、興味があることを追究するという経験は、勉強に活かすこともできます。
自分で考え、そのためにどうしたらいいのか経験から身につけ、知識を積極的に取り入れようとするので、自ら進んで勉強に取り組むようになるのです。
好奇心はあなたの人生を楽しませるためのもの
人生は誰かによって楽しくなるものではなく、自分自身で楽しくしていくもの。
好奇心が人生の満足度を上げるのに大切であることを説明しましたが、これはある理論でも述べられています。
アメリカ・スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ博士が1999年に発表した「計画された偶然性」というキャリア理論があります。
その理論によると、変化のスピードが速い現代では、個人のキャリアの大半は予想しない出来事や偶然の出会いによって決定されると考えます。
重要なのは、物事を幅広く捉え、自ら主体的に動くことで、その偶然起こる事柄や出会いを意図的あるいは計画的にチャンスとして変え、より良いキャリアにしようという考えです。
そして、その幸福な偶然を引き寄せるには「好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心」という5つの要素が大切であるとのことです。
新しく学ぶことや挑戦することに対して積極的であることは、いくつになっても大切です。
毎日どう考えて過ごすかによって、自分の未来は楽しくなると考えてみてください。
そして、これからの人生を楽しくしようとするのであれば、好奇心は大切な要素と言えるでしょう。