仕事の優先順位のつけ方と取り組み方

仕事の優先順位のつけ方と取り組み方 前向きな人生にする方法
今日もたくさんの仕事に追われるまま一日が終わってしまう。ほかにもやりたい仕事はたくさんあるのに…そのような状況を打破するために、「緊急度」と「重要度」の2つの側面から仕事に優先順位をつけていき、目先の対応だけではなく、中長期的に見ても成果を出せる仕事の取り組み方を紹介します。

朝出勤すると、今日のうちにしておきたい仕事がたくさん。

手帳にびっしりと書かれたタスク。
パソコンのモニターのあちこちに貼られた、細かい用件が書かれた付箋。
メールを見ると、返信をしていないメールが何通も。

勉強のために業界誌にも目を通しておきたいけど、今日は時間がないかな…

このように日々たくさんの仕事に追われていてどこから手をつけてよいのかわからないあなたに、今回は優先順位をつけて効果的に仕事をおこなう方法をご紹介します。

優先順位のつけ方(緊急度と重要度)

優先順位のつけ方

「優先順位ってどうやってつければいいのだろう。とりあえず急ぎのものから順番に手をつければいいのでは?」

そのように思われるかもしれませんが、それでは従来のToDoリストの作成とそこに記載されたタスクの消化とほとんど変わりません。

優先順位をつけるために大事なのは、それぞれの仕事を「緊急度」と「重要度」で分けてとらえることです。

緊急度と重要度

緊急度と重要度

自分の手もとにある仕事は「緊急度」と「重要度」によって分けられます。

「緊急度」とは、今すぐに対応が必要かどうかが基準となります。

放置しておくと損失などの良くない結果をもたらし、その対応に追われることになるものが緊急度の高い仕事になります。

「重要度」とは、自分自身の成長や今後への備えにつながるかどうかが基準になります。

会社や自分のビジョン、目標が重要度に大きく関わります。

主体性を持ち自分で自分に指示を出して取り組むものが多く、ひいてはそれが会社の業績や今後の展開にもつながります。

緊急度と重要度の2軸で仕事を分類する

緊急度と重要度の2つの側面を用いて、次のように分類することができます。

①緊急度も重要度も高い仕事

緊急の対応が必要で、かつ自分にとっても大事な仕事です。このことから、優先順位は高くなります。

・優先順位が高くかつ期日や締切日が近い
・すぐに対応すべきトラブルの処置

など、ルーティンになっているものから臨機応変な対応が必要なものなどです。

②緊急度は低いが重要度が高い仕事

会社や自分自身の成長・目標の達成のために重要で価値があるけれども、今すぐしなければいけないものではない仕事です。

緊急性はありませんが、将来の自分のための備えという観点ではできる限り対応をしておきたいので①と同じく優先順位を高く設定しておきたい仕事です。

③緊急度は高いが重要度が低い仕事

自分の成長などにはつながらないが、緊急の用件として目の前にある仕事です。

・忙しいから手伝ってと突発的に頼まれた割り込みの案件
・来客対応や接待、多くの電話・メール対応

などがこのカテゴリーになります。

これらは自分ではなく他人の都合によって緊急になっていることものも多いもの。

優先順位は低めにして、状況に応じて断ったりほかの人に任せてもよいでしょう。

④緊急度も重要度も低い仕事

・自分にも業務にもプラスにならない内容のメールを読む
・自分のデスクのレイアウトをなんとなく変えてみる
・不必要な昔のデータを整理する

など、何もすることがないときにする雑用のようなものなので、優先度は一番低いです。

気分転換に合間でおこなう分には良いですが、あまりここに時間を取られないようにしましょう。

このように分類すると、重要度が高い①と②が、優先順位が高い仕事ということがわかります。

つぎに、この2つのカテゴリーに含まれる仕事の内容と取り組み方について説明します。

①「緊急度も重要度も高い」仕事の取り組み方

緊急度と重要度が高い仕事の取り組み方
まずは①の「緊急度も重要度も高い」仕事の取り組み方についてです。このカテゴリーに含まれる仕事は、今すぐに行う必要があります。

具体的には

・締め切りが間近な仕事や会議
・トラブルやクレームの処理
・業務上の事故や災害への対応

などがあります。どれも差し迫った問題を含み、スピードも求められます。

緊急度が高いので否が応でも必要に迫られ、考える前に実行しているパターンも多いです。

自分にとっても重要な仕事なのでおろそかにしてはいけませんが、緊急という状況ばかりにとらわれてその重要さを忘れないように注意しましょう。

①の「緊急度も重要度も高い仕事」を多く抱えていると感じたときは、いったんそれぞれの仕事を見渡して

・この仕事は本当に緊急なのか
・だれかに頼むことはできないだろうか

と見直すことも必要になります。

また、これらの仕事をさらに細分化してみると、その中でも緊急なもの、緊急でないもの、重要なもの、重要でないものがある場合もあります。

最も成果が出やすいものが緊急で重要!

と心得て、小さな単位まで仕事を細分化し、優先度が高いものから取り組みましょう。

②「重要度が高く緊急度が低い」仕事の取り組み方

重要度が高く緊急度が低い仕事の取り組み方

つぎに、②の「重要度は高いが緊急度が低い」仕事の取り組み方についてです。

また、①では期限や状況、緊急性に迫られ受動的に反応して取り組んでいるのに対し、②のカテゴリーに入る仕事は、主体的に自分で考えて「これは今後のためになるものだ」と判断して取り組むものが大多数になります。

具体的なものとしては、

・業界のトレンドを知るために調査をしたりセミナーに参加する

など、自分の教養を深めるものや、社内外で人間関係を築き深めていくもの、健康を維持するための取り組みなどが含まれます。

レクリエーションも、単なる娯楽ではなく社内外との交流や心身のリフレッシュという面で有効であれば、中長期的に見てプラスになるので、このカテゴリーに含まれます。

このように、自分の将来の成功を見据えて取り組むのがこのカテゴリーの仕事となりますが、長期的なスパンで見ると非常に重要という一方で緊急度が低いという性質上、後回しにされる傾向にあるのが特徴です。

この重要な仕事を後回しにせずに積極的に日々のお仕事に取り入れるためのコツを教えます。

1週間単位でスケジュールを立てる

週間単位でスケジュールを立てる

まずは1日単位ではなく1週間単位でスケジュールを作成し、広い視野でスケジュールを見渡してみましょう。

手帳やカレンダーの1週間の中に空白があれば、この②の仕事を入れるようにすることを習慣にしておいてください。

1週間のうちに②の仕事が入れやすい曜日があるかもしれません。

そうすれば、「急ぎではないから」「面倒だから」とこれまで後回しにしていた②の仕事が、あらかじめスケジュールに割り当てられることになり、手が空いたときに③や④といった重要度の低い仕事に逃げてしまう状況から脱却できます。

1週間単位でスケジュールを立てる方法は、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』で強く推奨されています。

目の届くところに仕事のメモを置いておく

目の届くところに仕事のメモを置いておく

また、緊急度が低いためについ忘れてしまうのを防ぐために、②の仕事について記載したメモを自分の目につきやすいところに置いておくのもよいでしょう。

スケジュールを立てるときにも役に立ちますし、「ちょっと手が空いたなぁ」というときにこのメモに目が行くと、「あ、そういえば来月からのプロジェクトの資料が届いていたな。今のうちに読んでおこう」というように、重要だけど緊急ではない用件にスムーズに移ることができます。

「重要度が高く緊急度が低い」仕事も優先順位が高い理由

重要度が高く緊急度が低い仕事も優先順位が高い理由

チャンスは突然やってきます。

重要度が高く緊急度が低い仕事を「緊急度が低いから」と放置したままにしておくと、チャンスが突然現れたとき、そのチャンスに乗り遅れてしまいます。

また、「重要な書類だから先に目を通して理解しておきたいけど、来月の会議までに目を通しておけばいいや」と後回しにしたままにすると、いつの間にか「明日の会議までに書類に目を通しておかないと!時間がないのにどうしよう」ということになり、重要な書類も慌てて読むことになり、大事な部分を見落としてしまうことにもなりかねません。

これでは「緊急度」にも「重要度」にも対応できずに仕事としては中途半端で、良い結果につながりません。

「緊急度が低くても重要だ」と思う仕事は、可能な限り優先順位を高くして、突然緊急度が高くなる前に取り組みましょう。

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最後に

最後に

このように、仕事に優先順位をつけることによって目先の状況に流されることなく地に足をつけて仕事に取り組むことができ、自分の成長につながる仕事ができるようになります。

優先順位をつければ、あとは取り組むのみですが、その仕事をすることによって、自分に何を得られるか、自分の成長にどうつながるかということは意識して取り組みましょう。

そうでなければ、ただ目の前の状況に受動的に反応しているだけで終わってしまい、「どうしてこんな仕事をしているのだろう」と自分の仕事に疑問を持つようになります。

また、優先順位が細部まで明確であれば、優先順位の低い仕事に対しても断ったりほかの人に任せるという選択肢を持てるようになり、言われるがままに多くの仕事を抱えてしまう状況からも脱却ができます。

「緊急度」と「重要度」を意識して、主体性のある仕事への取り組みを目指しましょう!