人を褒めると良いことばかり!褒める効果3つ

人を褒めるといいとばかり!褒める効果3つ 前向きな人生にする方法
人を褒める効果というのは、褒められた側にも褒めた側にも発揮されます。褒めることによって脳が活性化されたり、より良い人間関係の構築にも役立ちます。褒めることによる偉大なパワーは、決して無視できないものなのです。

普段、人を褒める機会はありますか?

「来週から新入社員が配属されるけど、どのように接したらいいかな?」

「今夜の異業種交流会、はじめて会う人ばかりだけど、どうやって声をかけようかな…」

「チームみんなのやる気を引き出して同じ方向を向けるようにしたい!」

このように、職場やプライベートでより良いコミュニケーションをとりたいときにおすすめなのが「褒める」です。

褒められた相手だけでなく、褒めた自分にもあらゆる面でメリットがあります。

今回は、人を褒めることの効果や方法についてご紹介します。

褒めることは偉大

褒めることは偉大

褒めることによるメリットについて、まずは褒められる側にどのような良い効果があるのでしょうか。

褒められることにより伸びる

褒められることにより伸びる

褒められた側のメリットとして大きいものの一つは、褒められたり期待されることで、モチベーションが上がり、やる気が出てきて、想定していた以上の結果につながるというものです。

教師に褒められて期待されている生徒が、それらを受けていない生徒よりも成績が上がるということが実験でも検証されており、「ピグマリオン効果」「教師期待効果」といわれています。

これとは逆に、褒めることも期待もされなかった人は、褒められた人に比べて良い結果が残せないということを「ゴーレム効果」といいます。

セルフイメージの向上

セルフイメージの向上

褒められ評価されることで嬉しいだけではなく、

「あの人はこんな風に見てくれていたんだ」
「自分ってこんなことができるんだ」

と自分のセルフイメージが高くなります。

つまり、自分自身に持っている認識や思い込み、イメージがよりポジティブなものに変わっていきます。

また褒められることで、今まで気づいていなかった自分の「良いところ」に気づくこともあり、セルフイメージを高めてくれます。

このような前向きなセルフイメージは、

「こんなことができる自分なら、さらにもっとすごいことができるんじゃないかな?」

と新たな可能性を見出すきっかけになり、それにチャレンジするという意欲にもつながり、そこから自分でも思いもしなかった素晴らしい結果・成功に導かれます。

そしてその成功体験がまた、自分のセルフイメージの向上につながり、とても良い循環ができるのです。

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人を褒めることによる効果3つ

人を褒めることによる効果3つ

人を褒めることでその相手にとても良い影響を与えられるということを紹介しましたが、褒めることは自分自身にとっても良い効果をもたらします。

次に、その自分への効果を3つ紹介します。

①褒めると自分に返ってくる

褒めると自分に返ってくる

何か良いことをしてもらったときに、「同じようになにかその人にお返しがしたい」という心理が働きます。

それを「返報性の心理」といいます。

これは仕事を手伝ってくれたり、誕生日にプレゼントを贈ってくれたり、といったときに、「じゃあ今度は私からも」となる心理ですが、これは褒められたときにも発生します。

褒められると嬉しく思うのと同時に、褒めてくれた人に対して好意を感じ、「私からもこの人を褒めよう」という心理が働きます。

そうして、褒めた人を褒め返したり、褒めた人のことをもっと知りたいと会話が弾んだりするのです。

このように、褒めることからお互いに好意的なコミュニケーションがはじまり、相手からも褒めてもらうことで自分自身も嬉しい気分になります。

②相手を褒めると脳が活性化する

褒めることで脳が活性化する

褒められた人は、「嬉しい」と感じることで、脳からドーパミンという脳内物質が分泌されます。

ドーパミンは「快感ホルモン」とも呼ばれ、セロトニンなどとともに「幸福ホルモン」のひとつとされています。

脳はドーパミンををより多く得られるように、脳自身の構造を変えていくという性質があり、これが脳の強化につながります。

つまり、ドーパミンが出る前よりも出た後のほうが、脳の内部での行動が強化され、運動や学習、やる気や意欲にプラスになる影響を与えます。

そこから結果や成果の向上につながります。

リハビリでも褒める効果は利用されている

脳卒中の患者のリハビリでも、褒めることの効果は利用されています。

褒めることで患者の脳からドーパミンが分泌され、脳の変化に良い影響を与え、リハビリの成果を上げることができるのです。

褒めた側の脳にも良い影響がある

このように、褒めることは、褒められた人に良い影響を与えます。

しかし実は褒めた人にも良い影響をもたらします。

自分が相手を褒めたとき、褒められた相手が喜んでくれたとします。

このとき、褒めた自分自身も「自分のことのように嬉しい」と感じることができるのです。

すると、褒められた人と同じようにドーパミンが分泌され、脳が活性化されて普段の行動に良い影響をもたらし、幸福感や満足感へとつながるのです。

また褒めることが多くなると、「まずは相手のいいところを見つけよう」という姿勢・視点が自然と身についてくるので、相手との接し方もより前向きなものとなります。

③第三者を褒めると自分が得する【自発的特性転移】

第三者を褒めると自分が得する<自発的特性転移>

相手から好印象を得るために、その相手を直接褒めるのも有効ですが、あまり度が過ぎると相手に引かれてしまい逆効果です。

相手の性格にもよりますが、あまり頻繁に直接褒められ続けると、「どうしてこの人はこんなに私を褒めるのだろう。なにか裏があるのでは?」と勘付かれてしまいます。

そこで有効なのが、「自発的特性転移」です。

これは、第三者のことについて話をしていると、それを聞いている相手が、話をしている自分に対して、その第三者と同じイメージを持つようになるというもの。

例えば、あなたがAさんに対して、「Bさんは爽やかな人だ」とBさんの印象の話をすると、不思議なことにAさんはあなたに対して「爽やかな人だ」という印象を持つのです。

これを「褒める」ということにあてはめると、

「○○さんの家族を大事にする姿勢はとても素敵ですし、見習いたいですね」

と、自分や話し相手の人とは別のところにいる他の人を褒めたとします。

すると、話した相手から

「この人はそういうところを評価しているんだな。きっとこの人も家庭を大事にする人なんだろう」

という印象を、話をした本人、すなわち自分に持ちます。

つまり、その場にいない誰かを褒めることで、自分が良い印象をもってもらうことができるのです。

良い印象を持ってほしい相手には、このように「第三者を褒める」という方法もおすすめです。

第三者を悪く言わないように注意

ただし、自発的特性転移は第三者を褒める時には有効ですが、第三者を悪く言ったりすると逆効果になります。

たとえば同僚の仕事ぶりについて悪口や陰口ばかりを言っていると、それを聞かされている相手から

「この人もあまりいい仕事ができない人なのかな」

と思われてしまします。

第三者について褒めることと同様に、ネガティブな発言も自分に返ってきます。

これは直接の会話だけではなくSNSでも同様なので、何気ない気持ちで誰かを悪く言うことがないように気を付けましょう。

褒めるときのポイント

褒める時のポイント

このように、褒めることと褒められることのそれぞれに大きなメリットがあります。

このメリットを最大限に出すために、褒めるときのポイントを見ていきましょう。

相手のタイプに合わせた褒め方をする

相手のタイプに合わせた褒め方をする

相手を褒める場合、その相手の性格・タイプに応じて有効な褒め方があります。

注目されるのが好きな人の場合

例えば注目されることが好きな人には、細かいことは抜きにして「さすが!」「すごいですね!」と盛り上げながら褒めてみましょう。

注目してもらえた上に、褒めてもらえたことが喜びになり、さらに力を発揮できるようになります。

真面目でコツコツ努力する人の場合

きっちりと分析や計画を立てて仕事をするタイプの人には、具体的な仕事の内容や、その人の持つ専門性を示して褒めてみましょう。

「ちゃんと自分の努力を見てくれているんだな」と感じ、モチベーションの向上につながります。

ただし、「すごいね!」とその場のノリだけで評価してしまうと、「この人はちゃんと自分の仕事を見ているのだろうか?」と思われますので注意です。

チームや仲間を大切にする人の場合

協調性や人間関係を重視する人には、「あなたのおかげで助かったよ」というように、その人の取り組みがとても役に立ったこと示してあげましょう。

自分の貢献度がちゃんと確認できて、「またがんばろう」とモチベーションが高まります。

ただしリーダータイプの人は、褒められることによって自分がその人よりも下になったような気分になってしまう場合もあります。

このように、ある程度相手の性格や褒められると嬉しいポイントが見えてきたら、相手に合った方法で褒めてみるとより効果的です。

その人は、どんなポイントを褒められたら喜んでくれるのか、日々観察してみましょう。

表面上のことだけではなく、内面の部分も褒める

表面上のことだけではなく、内面の部分も褒める

もうひとつ褒める上でのポイントは、結果だけではなく、その結果に至った過程や、その結果をもたらした人柄や姿勢という部分に注目することです。

例えば、遅刻をしない部下に対して、

「毎日無遅刻で優秀だね」

と結果を褒めるのも良いですが、それに加えて

「あなたの時間に対する姿勢や規則正しい生活を尊敬しているよ」

と褒めてみてください。

その人の取り組む姿勢や人柄、結果のための努力などを褒めてあげると、ほめられた側は「自分のことをちゃんと見てくれているんだな」と感じ取り、とても励みになります。

仕事だけでなく、プライベートでも有効

これは、仕事だけでなくプライベートでも、相手のファッションや趣味に対して褒めるときに有効です。

例えば、髪型を変えた人には、

「髪型を変えたんですね、いいですね」

に加えて

「あなたのヘアスタイル選びのセンスは憧れます!」

と伝える。

趣味で絵を描いている人には

「きれいな絵ですね」

に加えて

「あなたの風景画の繊細な色使いがとても好きです。空気感を大事にされているのですね。」

と伝える。

このように、相手の感性やこだわりまで褒めることで、褒められた相手はより嬉しいと感じます。

結果という表面上のことだけではなく、そこに導いた過程や努力、こだわりや信念、人間性といったその人の内面の部分にも着目して褒めると効果的です。

また、そういった相手の内面の部分も褒める習慣がついてくると、相手のいいところを見つけて褒める機会や幅も広がり、より相手との人間関係が良好になっていきますよ。

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最後に

最後に

このように、「褒める」ことは、良いコミュニケーションにつながるだけではなく、褒められた相手や褒めた人自身にもプラスになる効果を与えます。

また人を褒めることが習慣化されると、人を見る見方も前向きなものになり、仕事やプライベートでの人間関係も良いものが築けます。

みなさんも日々の暮らしの中に「褒める」を取り入れ、充実した毎日につなげましょう。