最近では、頑張らない生き方や、頑張らないことが大切だと言われることも多くなってきました。
しかし、頑張らないことが大切な理由を本当の意味で理解していないと、ただの逃げのように捉えてしまったり、しんどいことから逃げることが癖になってしまうかもしれません。
果たして、頑張らないとはどういう意味で、なぜ頑張らないことでうまくいくのでしょうか?
頑張らないことの本質
頑張ると聞くと、「大変そう」「しんどそう」と受け取りますか?
それとも、ワクワクしたイメージで「頑張るぞ!」という印象を受けますか?
まず前提として、ここで紹介する「頑張らないこと」とは、ネガティブな意味合いではありません。
「頑張らない」と聞いて「頑張らずに大丈夫なのか?怠けているだけなのではないか?」と感じる人は、普段から、「こうしなければならない」と無意識に思い込んで、一生懸命頑張っている人かもしれません。
一生懸命になれることはとても素晴らしいことですが、もし、「明日も頑張らなきゃ」と思うとため息が出るようなら、頑張ることで自分を苦しめている可能性も十分あります。
無条件に「頑張らなければならない」と自分を追い詰めていないか
頑張らないとダメだと感じていませんか?
とにかく身を粉にして働いたり、取り組んだりすることを頑張ることだと感じていませんか?
無条件にそう感じているなら、頑張り方を間違えたとき、「頑張っても報われない」「こんなに頑張っているのに!」といった絶望の気持ちでいっぱいになってしまいます。
頑張り方を間違えるとは、目的に対して間違った方法で努力することです。
例えば、料理ができるようになりたいのに、いつまでもレシピを眺めているだけで実践しなければできるようになりません。
正しい方法でないと、目的は達成できないということです。
しかし、手段や方法を吟味したり、トライアンドエラーを繰り返さず、闇雲に頑張ってしまうと、当然打率も悪くなります。
すると、結果につながらないまま「頑張っているのに…」と辛くなってしまいます。
「頑張らない」とは、こういった、結果につながりにくく、精神的にも体力的にもきつい「闇雲な努力」をやめよう、といった意味合いも含んでいます。
それは、「効率化」や「生産性の向上」といった言葉で表現されることが多いことかもしれません。
「頑張らないと認めてもらえない」と思いすぎていないか
頑張ることで自分の価値を感じる人も多いです。
そのような場合、頑張らないと、自分のことを許すことができなくなりますし、周りにも認めてもらえないと感じて、自分を追い詰めてしまいがち。
永遠に頑張り続けなければなりません。
強迫観念や「こうしなければ!」という思い込み、頑張っているのであれば、それは誰のためか一度考えてみてください。
「頑張らない」ことが意味するのは、人に認めてもらうため、自分を大きく見せるための頑張りをやめるということ。
何もしないことや怠けて逃げることではないのです。
今まで頑張ることで自分の価値を見出してきた人は、やりたくないことをやることが、頑張ることだと感じていませんか?
「頑張らない」ことの本質とは、「頑張っていない自分はダメだ」という生き方をやめて、やりたいことをやるという生き方をすることにあります。
頑張らないことが大切な理由3つ
頑張らないこととは、闇雲な努力をやめ、正しい方法で取り組んだり、もっと素直にやりたいこと、好きなことを追求することです。
しかし、なぜそういった考え方が大切なのでしょうか?
好きなことは頑張らなくてもできるから
頑張るということは、「頑張らなければ達成できない」「今のままの自分では足りない」といった思いが前提にある場合が多いです。
セルフイメージの低さから感じる感覚でもあります。
しかし、好きなことに関してはどうでしょうか?
例えば、料理をしたことがない人が、料理についての仕事を任された場合、できるかな…という不安を埋めるためにも、基本から調べたり、一生懸命頑張らなくてはならないかもしれません。
反対に、料理が元から好きな人にとっては、頑張らなくても自然に調べたり練習したりと楽しみながら行えるので、「頑張っている」という感覚は持たないでしょう。
また、「頑張ることができない」という人も、興味がなかったり苦手な分野であるから頑張ることができないケースも多いです。
好きだと思う気持ちに勝ることはないのです。
気力だけで頑張ることは長く続かないから
「頑張らなければ」と気力だけで、闇雲に努力しようとしても、それを長く続けることは難しいでしょう。
体調に現れたり、精神的に疲れてしまったりと何か不調が現れ、最初のモチベーションをそのまま維持することは簡単なことではありません。
気力だけで頑張るより、もっと大切なことは、継続することです。継続するからこそ結果が生まれます。
『好きなことは頑張らなくてもいい』でもお伝えしましたが、好きなことであれば歯を食いしばって努力を継続している感覚もなく、自然と日々継続できていたりしますよね。
例え好きなことでなくても、継続できる仕組みづくりをして、習慣化やルーティン化してしまえば、気力を使わずとも自然と取り組むことができます。
気持ちで頑張っていても、継続できないのであれば本末転倒です。
頑張ることよりも習慣化して、継続できることの方がずっと大切なことなのです。
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人生を「楽しむこと」が1番大切だから
頑張らないことが大切な3つ目の理由。
それは、「頑張ること」は、目的ではなく「人生を楽しむこと」が目的であるべきだから。
シンプルに『人生を楽しめているか』自分に問いかけてみてください。
頑張ることが人生の目的になっていませんか?
「頑張ることがすごい」「頑張る自分はエライ」そう感じていると、頑張らないことに対して罪悪感を感じたり自分はダメだという意識を持ち始めます。
頑張ることはとても素敵なことですが、その活動を楽しむことが1番大切なはずです。
例えば、自分のやりたいことに向かって努力しているときは、頑張っているというより、楽しいと感じますよね!
その「楽しむ」という感覚を大切にすることが、「頑張らない」ことであるのです。
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頑張らないことの注意点
最近では頑張らないことが大切だとよく言われますし、本もよく見かけるようになりました。
しかし、頑張らないことの意味の捉え方を間違うと大変です。
頑張らないことは、決して『何もしないこと』ではありません。
「頑張るとダメなんだ」とそのまま受け取って、何もかも避けていては何も生まれませんし、それではただの「逃避」になってしまいます。
誰かに認めて欲しくて、できない自分には価値がないから…だから頑張るのではないということ。
そうではなく、大切なのは、自分で自分の価値を認め、ありのままの自分でいることです。
ある作家さんは、頑張らずに好きなことをして収入を得よう、と提案しています。
それを聞いて多くの人が、頑張らずに収入が得られるなら最高だと感じ、真似したい、ああなりたい、と思いました。
しかし、その作家さんは本当に頑張っていないのでしょうか?
本の執筆にビジネスのことを毎日考える…大好きなことだから、本人は頑張っているつもりがないのです。
ご本人にとっては、歯磨きをしたり、顔を洗うことと同じで、日常の行動の延長線上なので、「頑張らずに」という言葉で表現しています。
しかし、これをビジネスが好きではなかったり、文章を書くことが好きではない人が同じようにしようと思うと、「苦手なことを我慢して頑張る」ことになりかねませんよね。
ですので、頑張らないという言葉は自分視点で都合よく受け取るものではありません。
「何もしない」「しんどいことは避けよう」「逃げよう」などと言っているわけでなく、「やりたいことを思い切りやる」ということが頑張らない生き方なのです。
最後に
日本人は昔から頑張ることが美徳だと言われ続けて育ってきたケースが多いです。
ですので、頑張らないことが大切だと言われても、頑張ることで自分の価値を保ってきた人にとっては、頑張らない生き方というのはすごく怖いことかもしれません。
結果が全てではありませんし、頑張った過程は自分の経験になり自信に繋がるでしょう。
ですが、『頑張ること』に支配されては自分を追い詰めて苦しむことになりかねません。
自分の好きなこと、得意なことを活かし、一生懸命することで継続して楽しむことができ、結果にも繋がりやすいのです。
頑張ることよりも、楽しむことにフォーカスしてみることで、頑張らなければ…という苦しさから逃れることができ、もっと人生を楽しむことができるのではないでしょうか。
人の期待に答えようとしたり、人に合わせるために頑張ることは自分の人生を生きているとは言えません。
「自分が心からやりたいことをやる」
それが実は1番スムーズに良い結果を生むことができるコツなのです。