「ただ目の前のことをやるだけで、やりがいを感じない」
あなたは理由もわからず、ただ毎日「やりがいがない」「つまらない」と思いながら仕事をしていませんか?
今回は、仕事にやりがいを感じない原因と、あなたが「自分にとってのやりがい」を見つけ出すための方法をご紹介します。
目次
やりがいを感じる人と感じない人の違い
まずはじめに、仕事にやりがいを感じない人と感じる人とでは、どんな違いがあるのでしょうか?
それぞれ共通する特徴を比較してみましょう。
仕事にやりがいを感じない人の特徴
①『楽しさ』を見出せない
その職種や業務自体に「魅力を感じていない」または、「感じなくなってしまった」という場合はなかなか仕事に楽しさを見出せません。
一度、条件や環境なしに、その仕事を楽しいと思えるかどうか、自分の望む職に就けているかどうか、見直す必要がありそうです。
目指していた職に就けないのは、かなりのモチベーションの低下に繋がります。
また、「憧れて始めた仕事だったのに、実際に働いてみると想像と違った」といったギャップが要因で、楽しさを見出せなくなっていることも多いです。
②『達成感』を感じない
仕事に関わらず、あらゆる物事で言えることですが、『何かを成し遂げた』という感覚は、意欲を沸き起こすための着火剤となります。
逆に、代わり映えのない日々で同じ作業を淡々とこなすだけでは、どうしても人は飽きやすいのです。
飽きはやがて惰性に変わり、ふと「自分はなぜ働いているのだろうか」などと疑問に思い始めてしまいます。
「仕事をする意味がわからなくなる」
その感覚は人生を無駄にしてしまっている感覚と近いです。
③目指したいことがない
中長期的な目標を持っていないと、ただ目の前の仕事をこなすだけになってしまい、自分の時間を売っているような気持ちになるでしょう。
「仕事を通してどんな自分になりたいのか」
といった自分だけの目標やキャリアプランがないと、主体性を失い、何ごとにも受け身になりがちです。
それでは、辛い仕事が回ってきても、そこから何も得ることなく、ただ辛い思いをするだけで終わってしまいます。
④『報酬』(≠給料)に満足していない
これは給料だけではありません。
ここで言及する『報酬』とは、給料を含む全ての見返りのことです。
人は何ごともバランスをとって一致させようとします。
「この仕事は、給料の額に見合わない」と感じているのなら、給料に見合うように、力を抜くようになってしまいます。
また、評価されなかったり、感謝してもらえなかったりすれば、なかなか「これ以上頑張ろう」とは思えないものです。
仕事にやりがいを感じている人の特徴
仕事にやりがいを感じられる人とは、何ごとも自分で意味を見出したり、主体的に活動できるといった共通点があります。
では、具体的にはどんな特徴があるのでしょうか?
①誰かの役に立ちたい
あるケーキ屋のシェフのお話です。
シェフは毎日忙しく、数少ない息抜きは、お気に入りのバイクで材料の買い出しに行くことくらい。
過酷な労働環境の中、シェフが毎日やり遂げることができる理由は、
「自分が作ったお菓子を、誰かが口にして笑顔になってくれるなら、これほど嬉しいことはないから。」
シェフは、そのケーキが売れた後のことを想像し、誰かを笑顔にすることに喜びを感じているのです。
自分の行った業務が、誰かの役に立つ。
それが嬉しくて働けるという人は、たとえ就きたかった職種ではなかったとしても、十分楽しめるでしょう。
②目標を持っている
達成感は、仕事の大小とは関係なしに得られるもの。
そして達成感は、目標が設定されていることで、得やすくなります。
会社や職場の経営目標ではなく、あくまで自分個人が持つ目標のことです。
また目標の結果を分析することで、「この方法は良かった」「この点は改善するべきだ」というように、反省を次回の目標に活かすことができます。
代わり映えのない仕事でも、小さな変化を見逃さず、自分の成長をリアルタイムで実感できると楽しくなりますよね。
③仕事仲間を尊敬している
上司や同僚、後輩が尊敬できる人だと、一緒に働けるだけでも嬉しいもの。
また、「こんな風になりたい」という目標になったり、「ここを見習おう」と自分の成長に活かしたり、日々学びが多くて楽しいはずです。
④評価や報酬に納得している
自分が取り組んだことに対して、給料や評価が満足できていれば、やる気も出るし、自信もつきますよね。
これは求められていることに対して、正しく努力できている証拠でもあります。
そういった人は、周りから感謝されることも多いでしょう。
顧客、同僚、取引先など、誰かから感謝される人というのは、相手が望んでいることを正確に察する力に長けています。
手伝ってほしそうな人がいれば、自分から手を差し伸べて、感謝される。
すると、自ずと「この仕事をやって良かった」と思えるようになります。
相手を満足させることで、自分自身も満足し、やりがいを感じることができるのです。
そもそもやりがいとは何か?
仕事のやりがいを感じる人とそうでない人を比較してわかる違いは、「自分が楽しいと思うツボ」に対して努力できるかどうかです。
自分にとって楽しいことは何かを知っていて、それを達成するために努力や工夫ができるため、結果として実際に「やりがい」を感じられるのです。
しかし、そもそもやりがいとは何なのでしょうか?
それは手応えです。
私たちは、やっていることに手応えを感じることによってやりがいを感じているのです。
例えば、仕事でのやりがいを感じるポイントを具体的に挙げると
・昇給すること
・家族を守ること
・重要な仕事を任されること
・お客さんに喜んでもらうこと
・稼いだお金で欲しいものが手に入ること
などと幅広く、百人いたら百通りあるものです。
これらのポイントで、「達成することができた」という手応えがやりがいになります。
誰かの役に立つことが好き人は、「実際にお客さんを喜ばすことができた」という手応えがあれば、そこにやりがいを感じることができるのです。
仕事でやりがいを感じない原因は「手応え」がないこと
つまり、やりがいを感じない原因は「手応え」を感じていないから。
厳密には、「自分が手応えを感じることは何なのか」を言語化できていないからなのです。
「いやいや、手応えも何も、仕事がつまらないのが一番の原因だ」という声も聞こえてきそうです。
しかし、あなたが仕事をしていて、もし誰かが「あなたのおかげで助かった」と言ってくれたら、ちょっと嬉しくなりませんか?
そして、同じように毎日している仕事も「誰かの役に立つんだ」と気づくはず。
もしかしたら、
「もう少し自分がこの業務をがんばったらチームの役に立つかもしれない」
などと考えながら仕事をこなすようになるかもしれません。
このように、自分で考えて取り組み、誰かに感謝されるサイクルを回しているうちに、仕事の手応えを実感できるということもあるのです。
このとき、自分が「手応え」を感じる瞬間は「誰かの役に立ち、感謝されたとき」だと認識できれば、それはそのまま「仕事のやりがいや楽しさ」になります。
つまり、仕事がつまらないからやりがいが見つからないのではなく、手応えを感じていないから、仕事がつまらないのです。
大切なのは、
・あなたが手を貸した→喜ばれる
・あなたが頑張る→頑張った分褒めてもらえる
などと、「自分の仕事がどんな結果や反応になったときに手応えを感じるのか」を、具体的に言葉にして認識できること。
ここに書いてあることは、ほんの一例です。
自分の言葉で言えるようになると、きっと仕事のやりがいが、案外普段の何気ない業務にもたくさんあることを実感するでしょう。
仕事でやりがいを見つける方法
やりがいを見つける方法として、今回は「手応えリスト」というものをご紹介します。
やりがいを感じない原因は手応えを感じていないからだ、というお話は既にしました。
しかし、「そう言われても、毎日が同じような繰り返しの中で、どうやって手応えなんか感じることができるのか?」と、疑問に思う人もいますよね。
「手応えリスト」とは、日々自分がどんなことに手応えを感じ、どんなことには手応えを感じないのかを見つけるためのツールです。
作り方はとっても簡単。
それでは、あなたの手応えを言語化する「手応えリスト」で、仕事のやりがいを見つけていきましょう。
やりがいを見つける「手応えリスト」のつくり方
①その日取り組んだ仕事をリストアップする
さっそく「手応えリスト」を書いてみましょう。
必要なものは
・黒ペン
・赤ペン
たったこれだけです。
そして、そこにあなたがその日仕事で取り組んだことをリストアップしましょう。
朝、職場に着いて仕事を始めたところから思い出してみます。
・お客さんの対応をした
・プレゼンの資料を作った
などとざっくり挙げていきましょう。
②リストアップした仕事に、それぞれ手応えを感じたかどうか印づけする
例えば、あなたがアパレルの販売員だったとします。
という仕事に対して手応えを感じたのなら、赤ペンで「手応えあり」と書いていきます。
反対に、手応えを感じなかったのなら、黒ペンで「手応えなし」と書きましょう。
まずは直感で選んでみてくださいね。
③手応えを感じなかった理由を考える
書き終えたら、今度はそれを見返しながら、「なぜ手応えを感じることができなかったのか」を一つずつ考えてみましょう。
・お客様に似合いそうな商品を提案した
→手応えなし
理由:冷たく拒否され、購入してもらえなかったから
といったように、手応えを感じなかった理由を簡単に書いていきます。
その理由が、「頑張ったのにコンペに通らなかった」など、自分ではどうにもできない理由も含まれていることもあるでしょう。
悔しいこともありますが、思い浮かぶ「手応えなし」の理由から逃げないようにしてみましょう。
そうすることによって、次はこんな感じで頑張ろうという解決策が見えてきます。
④どうしたら「手応えなし」を「手応えあり」に変えられるか考える
ここまで書いてみて、自分のリストが「手応えなし」でいっぱいだと、「自分は仕事に手応えを何も感じていないんだな」と悲しくなってしまいますよね。
確かに、手応えが見当たらないのであれば、「やりがい」を見つけることは難しいです。
しかし、手応えを感じない理由と向き合うことで、やりがいを見つけることができるのです。
具体的には、勧めた商品を冷たく拒否され、購入もしてもらえなかった場合、
・お客様はどんなものが好みか、何を求めているか察してみたか?
・仕事の途中で諦めたり、いつものことだと諦めの気持ちでやり過ごさなかったか?
などと、「自分にできたかもしれなかったこと」を問いかけてみてください。
もしかすると、それができていたら、その仕事に手応えを感じていたかもしれません。
このように、どうしたら「手応えなし」が「手応えあり」に変わるか、その解決策を自分で考えてみましょう。
⑤手応えリストを一週間続ける
この手応えリストの作成をできるだけ毎日続けてみます。
少なくとも一週間は続けることをお勧めします。
続けていくうちに、仕事のやりがいを見つけられない理由が「自分の意識の問題」だということに気づいてきます。
そして、自然に解決策も見つけることができます。
そのうちに、今まであなたがなあなあでしていた些細なことが、実は自分にとって大事なことだったのだと気づき、視野が広がるかもしれません。
⑥手応えリストから自分のやりがいを見つける
しばらく「手応えあり、なし」チェックと、その理由探し、解決策を模索した後に、ノートを見返してみてください。
「手応えあり」がだんだんと増えてきているはずです。
その中に共通点はありませんか?
例えば、「手応えあり」の作業が
・締め切り通りに納品すること
であり、手応えを感じる理由が共通して「上司に評価してもらえる」ことだとしたら、あなたのやりがいは「誰かに認めてもらえること」なのかもしれません。
このように、手応えを感じる理由の共通点が「あなたのやりがい」です。
手応えを感じる理由を大切に、自分のやりがいを見つけ出してみてくださいね!
仕事にやりがいが見つからないときの注意点
どうしてもやりがいが見つからないときは、狭い範囲で探そうとしている可能性があります。
仕事とは将来を左右する重要なものですが、実はとても狭い範囲での行動。
仕事という狭い範囲の中だけでやりがいを模索するのは、大きな心の負担にもなりますよね。
仕事をするときは、仕事以外のことで関わらなければいけないことがたくさんあります。
たとえば、人間関係や雑用などストレスになることはたくさんあります。
それらがあなたのやりがい探しの妨げになっているのなら、一度狭い世界から視点を他に向けてみてください。
休暇をとってみてもいいですし、思い切って転職してみてもいいのです。
人生には、「絶対」という言葉はありません。
あなたのいる狭い世界の外にも、まだ世界があるということを忘れないでください。
最後に:やりがいを見つけるためには楽しむ
やりがいを見つけて仕事をしているという人は、仕事が楽しいです。
仕事が楽しければ、その流れでプライベートも楽しいものになってきます。
しかし、仕事のやりがいとは、たった一度何かをしただけで、やりがいに変わるものではないのです。
まずは何かをして「手応え」を感じたら、大いに喜びましょう。
どんな小さなことでもいいのです。
大げさに喜んで、自分を褒めてみてください。
自分を褒めると、仕事が楽しくなってきます。
今はなかなか、やりがいのある仕事に出会えないとしても、自分を褒めながら、楽しむことができれば「やりがいを感じている」と思う日がすぐにやってきます。
あなたが楽しみながら仕事の生きがいを見つけられるように、心から願っています。