「あの人たち、私のことでなにか話してるのかな。すごく気になるけど…どうしよう。」
「上司にこんなことを言ったら怒られるかな…自信がないし、やっぱりやめておこうかなぁ。」
このように、普段から人の目や評価が気になって疲れ気味のあなたへ。
今回はこのような人の目を気にしてしまうクセを改善して、仕事や普段の生活がより楽になる方法を紹介します。
人の目が気になる人の特徴
人の目が気になる人は、普段このような感情を持ち、行動をしています。
思い当たるところはあるでしょうか。
①会議の場でおどおどしている
会議や打ち合わせといった複数の人で話し合う場面で、言いたいことや意見があってもなかなか言い出せず、結局何も言えないまま終わってしまうことがよくあります。
「いい案が思いついたけど、どうせ採用されないだろうな」
という感じで、周囲の目や様子を気にしながら、おどおどしていて結局話し出す機会を逃してしまいます。
後になってから、「ああ、あのとき意見を言えばよかった」と後悔したり、会議の参加者から「なんでそのとき言ってくれなかったの!?」と残念に思われてしまうこともあるのではないでしょうか。
②SNSでの反応が気になって仕方がない
今の時代ならではの事例で、SNSでの反応が気になって仕方がないというものがあります。
SNS上で、自分に対してどのような評価や反応があるのか、そういったネットの世界での人の目が気になるという心理です。
具体的な行動としては、自分が投稿したSNSなどのページを何度ものぞいて確認してしまうというもの。
これは、スマホやSNSが普及した今だからこその思考・行動パターンで、多くの人が経験されているかと思います。
自分がアップした記事や写真にどういう反応が来るのか気になるのは当然の感情ですし、少しくらいなら全然OKですが、これにとらわれてスマホから目が離せなくなり、他のことが手につかなくなるのは良くない状態です。
また、評価が想定よりも下回っていたりすると「こんな評価しか得られない自分は全然ダメだ」と、自己評価が下がってしまう要因になります。
さらに、その高い評価を受けている人への羨望の思いが生まれます。
また、他の人が自分よりも高く評価を受けているのを目の当たりにすると、
などと、相対的に自己評価を下げてしまうこともしばしば。
さらに、その高い評価を受けている人への羨望の思いが生まれます。
「羨望」の状態ですと、「いつか自分もあの人のようになりたい!」と自分にプラスに働くこともありますが、これが「嫉妬」に変わっていくと、心理的にとても後ろ向きな状態になってしまいます。
人の目が気になる心理
人の目が気になるという感情や行動の裏には、どのような心理があるのでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう。
①自信がない
人の目が気になる原因でよくあるのが、「自信がない」です。
自分の意見や案に自信がないので、「これを言うとなんて言われるだろうか」と周囲の目や反応が気になり、会議でなかなか口に出せません。
もしくは、意見そのものではなく、意見を出すときの自分の立ち振る舞い(声や仕草)に自信がないために、どのように見られるのかが気になって意見が出せないというのもあるでしょう。
②いい人に見られたい
周囲から「いい人」に見られたいために、もしくは自分が「いい人」であるかの確証を得るために、周りの人が自分をどのように見ているのかという評価の目が気になって仕方がない状態です。
子どもの頃に、「いい子でいなさい」や「男の子らしくしなさい」と親や周囲によく言われていた場合、その頃から、
「いい子に見られているかな(悪い子に思われていないかな)」
という周囲の人の目が無意識のうちに気になり、それが思考のクセとして大人になっても残っていることが考えられます。
また、「いい人」としてのイメージが周囲に定着すると、今度はそれが維持されているかどうかを確認するために、継続して周囲の人の目を気にするようになります。
③怒られたくない・嫌われたくない
「いい人に見られたい」と似たケースですが、子どもの頃に親に怒られることが多かった場合、または過去に友人や恋人に嫌われてイヤな思いをした場合、そういった状況を回避するために、相手の目や様子をうかがって必要以上に気にしてしまうということがあります。
これも「いい人」と同様に、一度相手に気に入ってもらえたり好きになってもらえたりすると、その状態を維持するためにさらに相手からの目や評価を気にするようになります。
④自分の噂をしているのでは、という思い込み
職場やSNS上で、なにか不穏な内容の話が聞こえたときに、
「ひょっとして、何か自分が悪いことでもしてしまったのかな」
と、その状況を悪い方向で自分に関連づけてしまう場合、それも周囲の目を気にしていることになります。
実際は自分についての悪いうわさ話でもなければ、何も悪いことをしているわけでもないのに、このように感じとってしまうのは、セルフイメージ(自分自身対して抱いているイメージ・思い込み)が低いから、というのが、理由として挙げられます。
セルフイメージが低いと、自分に対して自信が持てないので、なにか自分に関する(ように聞こえる)話があった場合、「きっと私の悪口に違いない」とか「きっと私が良くないことをしたからだ」という方向に思考が働いてしまいがちです。
しかし、それらの大半は「きっと」という推測、思い込みによるとり越し苦労に過ぎないのです。
人の目を気にしない方法4つ
では、人の目が気にならないようにするにはどのような方法があるのでしょうか。今回は4つの方法を紹介します。
①自信を持てるものを持つ
自信を持てるようになると、人の目が気になることが格段に減ります。
自信を持つためには次のような方法があります。
長所を伸ばし、自信につなげる
例えば、なにか短所や欠点があり、それが自信の低下と人の目を気にしている原因になっている場合。
その短所を改善するのも良いのですが、必ずしも改善できるとは限りませんし、どれだけ頑張っても上手くいかないと、さらに自信をなくしてしまうことにも繋がります。
それならば、短所ばかりに目を向けず、なにか1つでも長所があるのなら、それを伸ばして自信につなげるのが手っ取り早い方法です。
短所を改善して「そこそこ」の状態に持っていくよりも、何か一つでも長所を伸ばして人並み以上の得意分野がある人になったほうが、自信に繋がりやすいのです。
長所は短所をカバーすることもできます。
そして、その長所が自分のゆるぎない軸となれば、人の目を必要以上に気にしないようになります。
自信をもって振る舞うイメージを持つ
先に挙げた例のように、会議の場で意見を出すときに周りの目が気になる場合は、あらかじめ自信を持って意見を出している自分のイメージがあれば、周りの目を気にしすぎる状況から抜け出せます。
そのイメージを持つためには、自信を持って意見を出している人のイメージを参考にし、それと同じように自分が振る舞っている姿をイメージするという方法がオススメです。
また、会議の場以外で、自信を持って意見を出したりそれを受け入れてくれる場があれば、そのような場所で経験を積んで、会議でも自信を持って振る舞えるイメージにつなげることも可能です。
それでもまだ自信がなくて意見を出しづらい場合は、近くに話しやすい人がいれば、その人に「自分はこう思っているんだけど、どうかな?」と確認を取って同意を得られると、意見が出しやすくなります。
人によってはあなたの代わりに意見として出してくれるかもしれません。
②無理にキャラを作らなくてもいいし、嫌われてもいい
「いい人に見られたい」「嫌われたくない」といった思いから人の目が気になる場合は、
というくらいの心構えをもって、いつまでも「いい人」というキャラに固執し、しがみつくことから自分を解放しましょう。
たしかに、多くの人から好かれるに越したことはありませんが、全ての人から好かれることはありませんし、どんな偉大な人でも嫉妬やいわれのない逆恨み、誤解で嫌われることもあるのです。
そんなことをいちいち気にしていては、キリがありません。
(もちろん、自分から意図的に迷惑なことをした結果嫌われるようになった場合は別です。)
ですので、自分を嫌っている(かもしれない)人を気にしながら、無理に「いい人」のキャラを作るのはやめて、ありのままの自分で振る舞って、そんな自分を好きだと言ってくれる人を大切にしましょう。
「いい人」のキャラ作りから解放されれば、本音や腹を割って話すこともできるようになるので、ストレスやひとりで悩みを抱え込む状況からも解放され、楽に生きられるようになります。
③人は意外と自分を見ていない
人の目が気になるときに言い聞かせると効果がある言葉として、「人はそんなに自分を見ていない」というのがあります。
実際に多くの人は自分のことで精一杯なので、他人のことについていちいち事細かに見ていることはそれほどありません。
もちろん、あなたのことも思っているほど見ていません。
プレゼンテーションの場面で、「失敗したら恥ずかしい」とか「上手くいかなかったらどうしよう」と思い、人の目が気になることがありますが、そういうときこそ「人は自分のことなんていちいち見てないから」と自分に言い聞かせて臨めば、気持ちが楽になります。
「人の目がどうか」よりも「自分が楽しいかどうか」というように、意識を今の自分の気持ちに向ければ、より周囲の目が気にならずに振る舞うことができます。
④SNSとは適度な距離で
SNSなどのネットの世界では、リアルタイムで多くの情報が飛び交い、中には自分に関係する(かもしれない)内容も含まれます。
それは評価だったりうわさだったりしますが、内容が気になって深追いしていくと時間が浪費されてしまうもの。
それだけでなく、見たくない評価や情報、うわさ(その大半は根拠のないものです)が目に入ってしまうこともあり、それが気になってさらに深追いしたくなり、思考もどんどんネガティブな方向に向かっていきます。
このように、ネットの世界で他人の目が気になりすぎないように、これらのSNSなどの場とは適度な距離を置いて接しましょう。
自分への評価が必要以上に気になっていると気づいたときには、すぱっとページを閉じる判断も大事です。
最後に:もっと楽に生きよう
人の目を気にするのはなぜか、そしてどうすれば人の目を気にしないようになれるか、今回はその方法について紹介しました。
人の目を気にすることは、時と場合によっては細やかな気遣いという面で役に立つこともあります。
しかし、必要以上に周りの人の目ばかりを気にしすぎて、自分のしたいことができないのはとても窮屈ですし、自分の可能性を狭めてしまいます。
そして、人は自分が思っているほど自分を見ていませんし、特にネットの世界では匿名性の高さもあって、根拠のない正確性の欠ける評価やうわさが絶えません。
そのような幻影にとらわれずに、他人の目ではなく自分自身がどうありたいのかということにフォーカスをあてて考え、行動に移せば、より楽に生きられるようになるでしょう。