笑顔とは、最も簡単に人を幸せにする魔法です。
「いつも笑顔とか、自分には無理だ…」
そう思っていても、笑顔のすごい効果を知れば、自然と笑みがこぼれてしまうかも。
後半には、「笑顔になれる方法」もご紹介。
ぜひチェックしてみてくださいね!
笑顔がもたらす最大の効果
人の笑顔を見て「幸せそうだなぁ」と思うことがあると思います。笑顔とは幸せの象徴です。
笑顔であることが、幸せであることの証拠だという考え方もできるでしょう。
しかし、果たしてよく笑う人は、幸せであることが前提となるのでしょうか?
笑顔は幸せを引き寄せる
人は幸せや喜びを感じると自然と笑顔になりますが、逆に笑顔でいることで幸せを呼び起こすこともできます。
笑顔が幸せにつられて生まれるように、幸せもまた、笑顔に引き寄せられるのです。
もちろん、不幸の渦中にある中で、無理に笑顔でいることは難しいものです。
しかし、常日頃から笑顔であるように心がけるだけならばどうでしょう。
普段表情に乏しい人や感情表現が苦手な人だと抵抗があるかもしれませんが、『いつも笑顔』を心がけるだけで、心に余裕ができ、たくさんの幸せを引き寄せます。
例えば、見ず知らずの人に自分が話しかける状況があったとします。
周りにいる人から1人を選んで話しかけるとしたら、無表情でいる人よりも笑顔を浮かべている人の方がずっと話しかけやすいはずです。
話しかけられた側から見れば、自分の笑顔が「人」を引き寄せたことになります。
このように「人」に限らずとも、笑顔は、あらゆる「幸せ」を引き寄せてくれるのです。
笑顔が幸福感を上げる
笑うから幸せになれるということは、笑顔でいることによって幸福感を上げることができる。
「人は楽しいから笑顔になる」と言われると、もちろんそうであると思いがちです。そして誰がもそうだと信じてきました。
しかし、実は「人は楽しいから笑顔になる」のではなく「笑顔でいるから楽しい」というのです。
この事実は心理学者のリチャード・ワイズマンによりAs if (アズイフ) の法則として科学的に証明されています。
「アズイフの法則」によると「感情は行動によって生み出される」人は楽しいから笑うのではなく、笑うから(行動)楽しい(感情)といいます。
つまり、特に楽しいことがないとしても笑顔でいれば楽しくなってくる。それにより楽しい感情が湧き上がり幸福感を得ることができるというわけです。
反対にいつも怖い顔をしていれば怒りっぽくなりますし、人の顔色を見ながらオドオドしていると、ネガティブな感情になってくるというこです。
ということは、笑顔でいることを心がけていれば、幸せな感情が湧き上がってくるということになりますね。
笑顔でいるということは、人を引き寄せるだけではなく、幸福感を上げることもできてしまうのですから、笑顔がもたらす効果とは素晴らしいことです。
笑顔が心身に与える効果
笑顔の有用性は、医学的な知見からも認められています。
笑うことがもたらす、心と体の健康を見ていきましょう。
①精神が安定する
ストレスや自律神経と密接に関わっている『セロトニン』というホルモンがあります。
脳の機能や感情のコントロールに影響を与えるセロトニンが不足すると、睡眠障害やストレス障害、酷いと鬱病を引き起こしてしまう重要なホルモンです。
セロトニンを増やす手段としては、太陽の光を浴びたり、食事を改善したりといくつかの方法が提唱されていますが、その中の一つが『笑うこと』です。
笑顔を浮かべたり、大笑いしたりすることで、このセロトニンが分泌されストレスが軽減し、血行が良くなります。
仕事で溜まったストレスやイライラを、笑顔によって改善することができるのです。
②免疫力が高まる
人間の持つ免疫力として大きな役割を担っているNK(ナチュラルキラー)細胞という細胞があります。
異常を起こした細胞を感知し、攻撃する細胞として、癌の治療などの分野でも非常に重要視されている細胞です。
このNK細胞ですが、笑顔になることで活性化することが分かっています。
つまり、人は笑顔になるだけで、病気に対する耐性を強めることができるということです。
前項で、笑顔になることで幸せを呼び寄せるというように記述しましたが、逆に暗い表情を浮かべていると、体調不良や病気といった『不幸』を呼び寄せてしまう可能性もあるのです。
身体の調子が悪いと感じた時こそ、笑顔ことを意識していきましょう。
③リラックスできる
体調の維持や精神的な状態と密接な関係を持つ自律神経ですが、これは『交感神経』と『副交感神経』の二つの神経で構成されています。
前述したセロトニンは、この自律神経のバランスを調整する役割も担っています。
交感神経はアドレナリンを分泌させ、突発的な行動や運動を行う際に働きかけます。わかりやすく言うならば、テンションを上げるために必要な神経です。
対して、副交感神経は血管の拡大を促し、心拍数を減少させ唾液の分泌を促します。副交感神経が活発になることで、リラックスした状態になることができるのです。
近年よく耳にする自律神経失調症は、ストレスなどにさらされ続けた結果、常に交感神経が活発になってしまって引き起こされます。
それを防ぐためには、副交感神経を優位にすることでリラックスした状態になる必要があるのです。
副交感神経を活発にさせるために有効なのが笑顔です。
笑うことが副交感神経を動かすためのきっかけとなり、精神的安寧を得ることができます。
ここまでに挙げたこと以外にも、笑顔には数々の効能を持っています。
『笑顔で幸せが得られる』と聞いて、しっくりこなかった、懐疑的な気持ちを持った方もいると思いますが、医学的な観点からメリットが得られるならば、興味深いのではないでしょうか。
④集中力が高まる
脳の部分にもっとも発達した前頭前野というところがあります。
行動の切り替えや物事の計画を立てたり、認知や実行機能を担うこの前頭前野は、笑顔でいることにより活性化され、それによって集中力が高まります。
つまり笑顔でいる、笑うだけで集中することができ、気が散ることがなくなるわけです。
怖い顔をしていると怒りの感情が湧き上がり、少しのことでも気に障り怒りたくなってきます。物事が気に障るようになると、なかなか集中できないものですよね。
これは前頭前野が停滞し、集中する能力が働かなくなるからです。
悲しい顔をしているときも同じようなことが起こり、不安になったり心配したりするので、必要なときに集中できなくなります。
集中するためにはネガティブな意識を取り除かなければいけません。
分かってはいても一度良くないことを考えたり心配しだすと、ネガティブな意識を変えるのはなかなか難しいものですよね。
ですから、無理に意識を変えようとせずに、とにかく笑顔でいるように心がけてみましょう。
そうすることで悪いことや余計なことを考えることがなくなり、脳が活性化され集中できるようになるのです。
仕事や試験勉強など大事なときに限って心配になったり不安になったりと集中できなくなりがちです。
しかし、そんなときこそ笑顔で取り組む。
そうすることにより集中力が高まり、実力以上の結果が出せるようになることでしょう。
⑤カロリーを消費し健康的になる
笑顔でいると楽しいことも自然と舞い込んでくるもの。
楽しいことが舞い込んでくると、笑う機会がどんどん増えてきます。
たくさん笑うと体温が上がります。体温が上がるということは、血液の循環がよくなり健康的になります。
そして多少なりともお腹や顔の筋肉を使うので、カロリーが消耗しやすくなってきます。
一度面白いことを考えて笑ってみてください。
クスクスと笑うだけでも、顔の筋肉が持ち上がり体全体が動いているのに気がつくはずです。
「笑う」という行為だけで、実は体全体を使っていたのです。
実際、ヨガの手法にも笑いヨガというものがあり、笑うことで腹式呼吸を使いながらエクササイズをするというものがあります。
インドで始まった笑いヨガですが、今は世界中で心と体のために実践されています。
笑うというポジティブな手法で健康になれる。
ヨガを発展させた4500年前の大昔のインド人も知っていたのですね。
笑うことで健康になり、楽しいことでカロリーを消耗できたら、これこそ理想のエクササイズと言えるでしょう。
⑥ポジティブで大らかになる
笑顔でいるということは、幸福感をあげることでしたね。
人は幸福感があがるとポジティブ思考になります。
幸せなときは、少しくらい誰かが迷惑をかけたとしてもすぐに許すことができますし、失敗しても「次がある」と前向きに考えることができます。
幸せであるという認識は、考え方だけではなく、行動までもポジティブに変えてしまいます。
反対に幸福感を感じなければ、自分が幸せではない分周りに嫉妬したり、小さなことで自分を責めたりと、ネガティブな行動ばかりとりがちです。
ですから、ネガティブにならないためにも、常日頃笑顔でいるようにしてみましょう。
笑顔でいる、笑うということは生理的にはある種の排泄現象と言えます。嫌なことがあっても笑顔でいる限り、ネガティブ意識は排出されていくのです。
笑顔を意識し、良くない部分を排出させてポジティブで大らかな人格を目指してみましょう。
笑顔が仕事や人間関係にもたらす効果
笑顔は、周りに伝播します。
悲しんでいる人を見ていると自分も悲しくなってしまうのと同じように、笑顔や笑いもそれを見た人へと伝染していきます。
この笑顔の伝播が、仕事や人間関係の上でとても効果的に働くのです。
①人を引き寄せる
会社や知人と関わっていく際、笑顔の人と無愛想な人とではどちらの印象が良いのかは明白です。
笑顔によって良い印象を持たせると、その印象は「この人と仕事をしたい」「この人と関わっていきたい」という願望へと繋がっていきます。
人との繋がりは、幸せを求める上で必ず必要となる要素です。
笑顔で人を惹き付けて、先の可能性を取りこぼさないようにしましょう。
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②相手がリラックスできる
笑顔によって副交感神経が活発になることは前述しました。
さらに、笑顔は人に移る効果も持っています。
笑顔でいると副交感神経が活発になり、リラックスすることができます。
そして笑顔は人に伝染します。笑顔が相手にも伝染するということは、相手の副交感神経も刺激されてリラックスするという状況になります。
これが続いていくと、相手は「この人と一緒に居るとリラックスできる」と思うようになります。
あなたがいつも笑顔でいれば、このストレス社会において、一緒に時間を過ごすだけでストレスが軽減できる存在になることができるのです。
きっとそれは、どんな組織やコミュニティにいても、重宝される人材ですよね。
笑顔を浮かべるよう心が掛け、自分が癒しとなる存在になることができれば、人から大切にされ、より良い人間関係が築けるでしょう。
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③人間関係をスムーズにする
不意なことで上手くいかなかったとき、上司に叱られたり同僚に失望されたら、その後お互いの関係もギクシャクしてしまいがちです。
でもここで上司や同僚が笑顔で励ましてくれたら、失敗もすんなりと認めやすいですし、その後も嫌な雰囲気になりませんよね。
同じ状況でも絵顔で対応するかしないかでは、その後の人間関係の良し悪しが大きく変わってきます。
ですから、怖い顔をして相手を黙らせるよりは、笑顔で対処するようにすれば相手もすんなりと間違いを認めてくれますし、その後の人間関係がスムーズになっていくのです。
忙しい職場などでは効率よく作業をすすめるために、人間関係や信頼関係がとても重要になってきます。
そこで人間関係に問題が起きてしまっては、忙しいうえに更に気を使いストレスをためてしまいます。
周りが忙しくてイライラしているときこそ笑顔で乗り越え、人間関係がスムーズになるように周りの空気を変えてみましょう。
④仕事の生産性が上がる
ほとんどの仕事においてチームワークはとても重要なもの。
チームワークが良ければ仕事の生産性も上がりますし、仕事をしていて楽しいと思えてくることでしょう。
仕事においてもスポーツにしても良いチームというものは、皆が笑顔で生き生きとしているものです。
いつも怖い顔をしていれば、チームは乱れてきますし、チームが乱れてしまえばやるべきことも効率よく進みません。
しかし、笑顔でチームを引っ張っていけば、たとえネガティブな人がいたとしても笑顔でいる人につられてポジティブ思考に変わっていきます。
そして周りは笑顔でいる人についていきたいと思いますのでチームの結束も強くなっていき、結果仕事の生産性が上がっていくのです。
⑤周りの空気を変える
グラスの中の水に赤い絵の具を一滴落とすと、透明だった水が薄いピンクになり、なんでもない水が華やかに変わります。
笑顔も同じように、たった一人笑顔でいる人がいればその場の空気が和やかに変わります。
もしもあなたの周りが良くない雰囲気だったり、つまらない環境だったら、あなた一人でもいいので笑顔で一日を過ごしてみてください。
しばらくすると、その場の雰囲気が変わってきます。そして翌日には笑顔で過ごす人も数人出てくるはずです。
人ひとりの存在というものは、あなたが思うよりもとても大きいもの。
たった一滴の絵の具のように、人ひとりの行動は周りの空気を華やかなものにも、暗いものにも変えることができるのです。
たとえその場に空気を乱す人がいたとしても、笑顔でいる人、笑い声にたちまち飲まれてしまうでしょう。なぜなら、人は誰でも暗くてネガティブな空気よりも、楽しくて明るい空気を好むからです。
たとえあなたが職場やサークルで目立たない存在だとしても、自信を持って笑顔でいてみてください。大きな組織の中でも、あなたという存在は確実に周りに影響を与えることができるのです。
あなたが笑顔でいるだけで、あなた自身が周りの空気を変えることができる。
毎日笑顔でいることで、あなたがそこにいなくてはいけない存在になったとしたら、とても素敵なことですよね。
⑥サポーターが増える
困難にぶつかっても笑顔で健気に頑張る人と無表情に物事をしている人とでは、思わず手を貸してあげたくなるのは前者の方ですよね。
笑顔でいると人を引きつけますし、人が気にかけてくれやすくなるので、サポートしてくれる人が増えます。
サポートしてくれた側も手伝った後に笑顔で例を言われると気分もいいですし、また手伝ってあげようという気持ちになります。
それと同時に、いつも笑顔で笑っている人と一緒にいると楽しい気分になるので、手伝ってあげているのに、見返りを要求しようとは思わなくなります。
なぜなら「笑顔でいる人を手伝ってあげて損をしている」と思うよりも「楽しいから手伝ってあげたい」と相手が思うからです。
もしもあなたが一人でがんばっていて、思うように仕事などが進まないようなら、どんなに大変でも笑顔でがんばってみてください。
あなたの笑顔に引き込まれて、必ず手助けしてくれる人が現れます。
始めは一人、それからまた一人とあなたのサポーターはどんどん増えていくことでしょう。
気がつくとあなたの周りは、快くあなたを助けてくれる人でいっぱいになります。
なぜなら、笑顔の影響力は人の心まで変えてしまう威力があるからです。
笑顔になれる方法
笑顔で得られるメリットについては、十分にご理解いただけたと思います。
しかし、実践するとなると中々難しいと感じる人も少なからずいるでしょう。
ここからは普段から笑顔を浮かべるための訓練法と、心がけるべきポイントをいくつかご紹介します。
①鏡を見て練習する
冗談のように聞こえるかもしれませんが、自分の顔が周りから見てどう映るか認識することはとても大切なことです。
俗に言うところの自撮り写真を頻繁に撮っているような人だと話が変わりますが、基本的に普通に生活している範囲では、改めて自分の顔を見る機会というのは少ないものです。
写真に映ることが苦手な人などは、自分の顔を見慣れていないことが原因である場合が多いです。
鏡の前で行う笑顔の練習は、自分がどうやって笑った時にどんな顔をしているのか、どういう表情筋の使い方をしているのかを知るために必要なことです。
1日1回だけでも良いので、鏡を見ながら笑顔の練習をしてみてください。
②コメディを見る時間を作る
笑顔でいることを心がけ、毎日寝る前にコメディを見て笑う時間を確保していた人が、病気を克服できたという話があります。
それくらい効果的に笑顔になれるのは、意図的に「自分が笑えそうなもの」を用意したからです。
要は自分が笑えるものを目にする機会を毎日のスケジュールに組み込むことが肝心です。
必ずしも、見るものがコメディである必要はありません。
漫画でもドラマでもお笑いライブでも構わないので、自分が面白いと思えて笑顔になれるものを見るようにしましょう。
③ポジティブな感情を声に出すようにする
嬉しいことがあっても、喜んでることが表情に出ないせいで、笑顔が浮かんでこないという人がいます。
せっかく笑顔を出す機会があっても、表情になかなか出せないという習慣のせいで、それが笑顔に繋がらないとしたら非常にもったいないことです。
しかし表情を豊かにするということは、一朝一夕に改善できることではないので、まずは自分が嬉しいや楽しいと思った時に、それを口に出すようにしましょう。
実際に「楽しい」「嬉しい」の気持ちを声にすることで、まず自分自身がその感情を自覚することができます。
加えて、感情を言葉にすることで、気分を更に向上させることも可能です。
疲れている時に「疲れた」と口にすれば、疲労感は実感を伴ってどんどん圧し掛かってきます。
同様にポジティブな感情も、声に出して言ってみることで気持ちはどんどん上向きになっていくのです。
手始めに、一日の始まりに「今日は良い日だ」と口に出して言ってみてください。
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最後に
幸せであることの定義は人によって違います。
大金を得ることが幸せであるという人がいれば、変わらない日常に幸せを感じる人もいます。
言ってしまえば、自分で幸せだと思えることができれば、どんな状況で周りから何と言われようと、その人は間違いなく幸せです。
だからこそ、笑顔によって少しでも健康的に過ごすことができ、楽しいこと、素敵な人を引き寄せられたら、たとえどんな状況でも、「幸せ」を感じられるかもしれません。
そしてその幸せが、また新たな幸せを呼び寄せ、人生が好転することだってあるでしょう。
「笑う門には福来たる」
これを信じて、ぜひ笑顔と幸せで溢れる毎日を過ごしてくださいね!