「毎日勉強し、自分の能力を高めたい」
「運動を継続させたい」
など、習慣にしたいと思っていることはありませんか?
しかし、習慣化は難しく、最初は良くても途中で挫折してしまったり、諦めてしまう経験が多いのも事実。
実は、習慣化でポイントとなるのは、ウィルパワー(意志力)の使い方を身につけることです。
ウィルパワーをうまく使うことによって、挫折しない習慣化と、同時に集中力も高めていきましょう!
目次
ウィルパワー(意志力)とは何か?
そもそもウィルパワーをご存知でしょうか?
ウィルパワーとは意志力、つまり、何かを決定するときに使う力のことです。
意志力の研究をしているロイ・バウマイスター氏によると、人間のウィルパワーは容量が決まっており、限られている力であるといいます。
さらにウィルパワーは、何かを決定する瞬間に消費されていきます。
例えば
「何を食べようか」
といった日々の細かい意思決定のときに消費されていきます。
一方で、
「いつやるべきか」
など先延ばしにしている決断も、ウィルパワーを消耗し続けている原因になります。
選択肢が多々ある中で、毎回ウィルパワーを使用してしまうと、大切なことを決めるときに本領が発揮できないということになりかねません。
ウィルパワーには限りがある
例えば意志が弱く、毎回小さな目先のことにウィルパワーを使ってしまっていたらどうでしょうか?
「何時の電車に乗ろう」
「朝ごはん何食べようかな」
「昼ごはんはどうしよう」
などと、毎回決めることにエネルギーを使っていたら、すぐになくなってしまうことは想像ができますね。
そこで、決める機会を減らすことが重要になります。
習慣となっている行動は、ウィルパワーが消費されないため、必要な時に最大限の力を発揮することが可能です。
思考や感情をコントロールする役割は、前頭葉が担っています。
この前頭葉が集中力の根源です。
ウィルパワーとは前頭葉の体力といえるものです。
身体も使えば使うほど体力を失っていくのと同様に、前頭葉の体力も使えば使うほどなくなっていくことがイメージつくと思います。
習慣化とウィルパワーの関係
ウィルパワーの活用方法を知ることで、継続しなければならないという考えではなく、やろうと思わなくても自動的にできるようになります。
ウィルパワーの活用とは、ずばり習慣化です。
習慣化をすればするほど、ウィルパワーを節約することができるようになります。
なぜなら、習慣化することで今まで消耗していた意志力を使わなくて済むようになるからです。
新しい習慣は、ウィルパワーの最大値を増やしてくれる
さらに、新しい習慣を身につけることで前頭葉が鍛えられるので、ウィルパワーの最大値の増大効果が期待できます。
増えたウィルパワーを活用して、集中力も上がり、さらに新しい習慣も身につけることができるので、どんどん良いサイクルになってくるということです。
ただし、新しい習慣を身につけるとき、すなわち、習慣化には多くのウィルパワーを必要とすることも覚えておいてください。
習慣化は多くのウィルパワーを必要とする
まずは、習慣化したいことを1つ決めてください。ここで大切な考え方は、習慣化した先に、何を得たいのかを明確にしておくことです。
理想が明確でないのに、目標を達成したいと思うエネルギーは湧いてこないはずです。
ウィルパワーは、目標達成のために活用していきましょう。
なぜ1つかというと、習慣化したいことが複数あることで集中力が散漫になってしまうのを避けるためです。
お仕事も習い事もダイエットも、全部まとめて習慣化できたら最高ですよね。
しかし、お伝えしているように、ウィルパワーは体力と同じように容量が決まっています。
使えるパワーは決まっているので、1つに集中して習慣化させましょう。
一度習慣化されてしまえば、その行動に関してはウィルパワーを使わずに済みます。そうなると、別のものを習慣化させることに力を使うことができるようになるので、遠回りのようですがかえって近道になります。
習慣化に必要な期間は?
習慣化される期間ですが、人それぞれ、習慣化したい内容によっても異なります。
ただ、ロンドン大学の研究によると、66日間で習慣化されるという研究結果も出ています。
2ヵ月継続し続けることで習慣化できるということです。
※ただし、66日間というのはあくまで目安の期間になります。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
習慣化に必要な期間は21日、66日?
その間、自分の目標達成のために決めた習慣1つに、徹底して集中的にウィルパワーを注ぎ込みましょう。
1つに集中することで、習慣が自動化し、ウィルパワーを温存できるようになります。
習慣を身につけるためのウィルパワー節約法
体力と同様、ウィルパワーにも限度があるとお伝えをしてきました。
ではどうやって節約していけばいいのでしょうか?
実は、体力が食事や睡眠で回復するように、ウィルパワーも回復させることができます。
ウィルパワーが消費されるのは決定する瞬間です。
複数の中から何かを決めるとき、どんどん消費されてしまうので、決定の機会を減らしていくことで、必要なときに最大限のパフォーマンスを出すことが可能になるのです。
昨今の働き方改革にもあるように、残業するのではなく、時間内に最大限の能力を出して仕事を終わらせることができる人が重宝される時代になってきています。
ウィルパワーを駆使して、集中すべきことに最大のパワーを使って効率を上げていきましょう!
①優先順位の低い意思決定は避ける
ウィルパワーの出る所は、前頭葉とお伝えしました。パワーの源は1つで、なおかつ容量が決まっています。
容量が決まっているのに、無駄遣いをしてしまったらどうでしょうか。
朝起きて「何を着ようかな」、「朝食は何を食べようかな」と細々したことにウィルパワーを使ってしまったら、大切なときに本領を発揮できません。
知らず知らずのうちに、人はいろいろな意思決定をしてしまっています。
小さな意思決定を減らしていくことで、ウィルパワーを節約することができます。
食べる物はルーティン化する。
洗濯は何曜日にするか決めておく。
もちろん、人生の優先順位は人それぞれ違うはずなので、洋服や食べ物に重きを置きたいと思っている方は、その他のことを即断即決して、ウィルパワーを温存する工夫をして下さい。
あなたの大切にしたいことにウィルパワーを使っていきましょう。優先順位を明確にすることで、ウィルパワーの消耗を抑えることができるはずです。
②物理的・精神的に集中しにくい環境を無くす
例えば、習慣化したいことが資格の勉強をすることだとしましょう。作業机が整頓されていると、テンションも上がり頑張れる人もいます。
しかし、机の上にごちゃごちゃ必要のない物が散乱していたり、目に入る空間が汚れていたらどうでしょうか。
「片づけなきゃ」と頭のどこかで思ってしまうと、集中できなくなってしまいます。
また、いつも使っているスマホやタブレットが近くにあったらどうでしょうか。音が鳴ったり、バイブ機能で通知が来たら気になってしまいますよね。その瞬間に集中が切れてしまいます。
まずは、目の前に気になる物を置かない、関係のない物は排除する環境作りをしましょう。
取り組みたいことだけに集中できる環境を作るを工夫して行ってください。目の前のことだけをやる環境をつくることで、没頭できるはずです。
あなたが集中できる環境とは?
あなたは、自分が集中できる状態を把握していますか?
集中できる環境には、静かな図書館、おしゃれな雰囲気のカフェ、家で音楽を聴きながら、といったように、様々な環境がありますよね。
自分がどの環境なら集中できるのかを、しっかり把握しておくこと。
そして、集中したいときはその環境にすぐ切り替える、という習慣にしておくと、集中スイッチが入るまでにウィルパワーが節約され、集中力がかなり持続します。
③スケジュールを決める
とても単純なことですが、あらかじめスケジュールを決めて、やることとやらないことを精査しておくことで、ウィルパワーの消耗を減らすことができます。
簡単な方法は、夜に次の日のスケジュールを決めてしまうことです。朝の寝起きが一番ウィルパワーが発揮されるので、優先順位の高い、特に集中して行いたいことをやるといいですね。
優先度の高い事を、前日に決めたとおりにやるだけです。ただそれだけで、ウィルパワーの消費を抑えることができます。
ご紹介させていただいたことを活かして、是非ウィルパワーを節約して、本当に必要な決定のときに最大限のパワーを出して下さい。
最後に
ウィルパワーは言わば、目標を達成するための力です。
ウィルパワーの仕組みを理解して、目標達成に欠かせない習慣を身につけていきましょう。
スティーブ・ジョブスやマーク・ザッカーバーグが、着る洋服を決めていたのも、日々の細々としたことを決めるということにウィルパワーを使わないで、他の大切な場面の決断に集中するためとのことです。
習慣化したいことがあるのであれば、その先に何が得られるかを明確にし、自分の中に落とし込んでおいてください。
ぜひウィルパワーの力を活用して、なりたい自分に向かって全力で駆け抜けましょう。