みなさんの日々の暮らしの中にはたくさんの習慣があります。
朝起きたら顔を洗う、出勤中の電車の中でお気に入りの有名人のブログを読む、寝る前に日記をつけるなど、ほぼ毎日のようにそれらはなにげなく繰り返されています。
そして理想の自分に近づくために、新しい習慣をスタートさせるということもおこなわれます。
この新しい習慣が自分の生活の中で習慣化され日常のものとなれば、より充実した日々になります。
しかし、いざその習慣を始めてみても長く続かず、数日で断念してしまったという経験もたくさんあったかと思います。
それはどうしてなのか。そしてどうすれば習慣化として定着するのか。今回はそれらの疑問を解決し、習慣化の実現につなげるための4つのマインドを説明いたします。
目次
習慣化とは
「休日でも毎朝7時には勝手に目が覚めちゃうんだよね」という人がいます。
休日なら特に用事がなければお昼まで寝ていても構わないのですが、平日は出勤のために毎朝7時に起きる必要があるため、それを習慣にするために意識的に毎日実践していくうちに、数か月後には平日休日問わず特に意識しなくても7時に目が覚めるようになりました。
このように、はじめのころは意識をもって行われていたことが、特別な意識を持つことなく自然と普段の生活の中に取り入れられている状態が習慣化されている状態と言えます。
習慣化された行動や考え方は、暮らしの中での流れ作業のように自動的に行われるようになります。「しなければ!」と強い意識を持っておこなわれることはありません。
ここで紹介した例は「出勤のため」という必要があって設定された習慣でしたが、夢の実現やなりたい自分になるためには、実現可能な習慣の設定とその習慣化が重要な鍵になります。
あなたが「習慣にしたい!」と思っていることが習慣化され、自然に生活の中に取り入れるようになるためのマインド・心構えを紹介していきます。
①具体的な目標と、それを得られた自分をイメージする
まずは習慣化した自分を具体的にイメージしてみましょう。
習慣化した行動や思考が生活の中でどのようにおこなわれているのか。
そのときの時間・場所・周囲に見えるものや聞こえる音・感じていることなどを、一つひとつ、具体的に丁寧にイメージしながら、その「未来」を存分にイメージしましょう。
具体的なイメージがないまま新しい習慣を始めると、「どうしてこんなことをしているのだろう」という迷いが起きた時に挫折してしまいますので、習慣化の先にあるイメージをしっかりと持っておきましょう。
②習慣化には日数を要するものと認識する
まず最初に習慣化した自分をイメージしましたが、習慣を開始して2日や3日で習慣化となって自分の理想の姿が得られるというわけではありません。人間の体や思考がそのような急激な変化を起こすようにはできていないからです。
「寝る前に腕立て伏せをして朝起きたら腕が一気に太くなった!」ということはありませんので、それを望んで無茶なトレーニングをしようとは思わないでください。
では、習慣化にいたるまでにどれほどの日数が必要なのでしょうか。
習慣には、その対象により3つの習慣に分けられます。
そして、それぞれの習慣によって習慣化にいたるまでの日数が異なりますので、それぞれに分けて説明します。
行動習慣は1カ月
行動習慣は、読書やブログの記事の作成、仕事前のスケジュールの確認など、普段の行動に関する習慣です。
これらの行動習慣が習慣化として定着するにはおよそ1か月を要します。
身体習慣は3カ月
身体習慣は、体のフィットネスやダイエット、早寝早起き、禁煙といった、体に関する習慣です。
この習慣はその行動そのものだけではなくそれに体が順応・変化していく過程がともないますので、習慣化には3か月を要するといわれています。
また、ダイエットや禁煙に関してはその内容によっては適切な方法や計画が求められますので、コーチングや医師への相談を受けながらおこなってください。
思考習慣は6カ月
思考習慣は普段の思考に関する習慣で、ボジティブ・ネガティブ思考、必要以上に心配してしまうといった思考のクセや性格によるもの、完璧主義や「~であるべきだ!」などといったものも含まれます。
ほかの2つの習慣と違い、思考習慣は自分の内面の深い部分から生まれた習慣なので、これを変えて習慣化にするためには6か月の期間は少なくとも必要とされています。
このように習慣には3つの種類があり、習慣化までの期間にも違いがあります。
ですので、習慣化には時間を要するものなのだということを念頭に置き、習慣を設定する際には無理なく長く続けられる内容にして取り組むことが、習慣化の成功への鍵になります。
習慣が身につくまでの期間についてはこちらでご紹介しています
習慣を身につけるのに必要な期間は21日、66日?
③少しずつ変えていくことを意識する
先ほどもお伝えしましたが、習慣はすぐには変わりません。
例えばウォーキングの習慣を始めようとする場合、いきなり1時間からそれを始めるのではなく、まずは近所を5分歩くことから始めてみてください。実際におこなってみて5分以上続けたいと感じても5分で終了してください。
このようにまずは短い時間と少ない内容で3日間ほど、いわば「お試し習慣」として試してみて「こんな感じなのか!」と実感してください。
これは健康食品や化粧品の「初回お試しキャンペーン」に近い感覚で、まずは気軽に試して自分に合うか実感してみるための期間といえます。
そして試してみた結果「この習慣をこれからも続けたい」と感じたならお試し期間以降も続け、徐々にその習慣の時間や内容を増やしていってください。
一気に増やしてはいけません。徐々に増やしながら、そして自分の生活リズムに合った時間や内容を見つけてください。
もちろんお試し期間で設定した5分がちょうどよいと感じたなら、5分で構いません。
大切なのは量や長さではなく、習慣化できるかどうかということです。
1時間の習慣で1か月しか続かなかったことよりも、5分の習慣で何年も続けられることのほうが、習慣化においては大事なことなのです。
また習慣の行動を少しずつ取り組むことで、習慣化のために必要な道具や、どの時間に取り組めばよいのかということにも気付けるので、習慣化に向けた環境をつくることも役に立ちます。
逆にこのお試し期間に「これは続けるのが難しそう」と感じた場合には、その内容の変更を検討してみてください。
お試し期間以降で、ボリュームを増やしたことで、続けることに負担を感じるようになった場合は、量や長さを調整してみましょう。
④習慣は生活の流れの一部と考える
毎日の歯磨きのような習慣へ
習慣は日々の生活の中で自然におこなえることが理想です。
分かりやすい例でいえば歯磨きで、毎日朝晩磨く人もいれば、朝昼晩、もしくは就寝前のみの人もいます。
それはこれまでの生活の中で繰り返され習慣化となったものですが、どの時間でおこなうにせよ、毎回「さあ、虫歯の予防のために歯磨きをするぞ!」と意気込んでするものではありません。
普段のなにげない生活の一部であれば、わざわざ行動の理由について毎回深く考えたりすることはありませんよね。
そのように「習慣は生活の流れの一部」というマインドで取り組めば、習慣化に向けて必要以上に肩肘を張らなくてもよくなります。
そしてそのマインドで習慣化を実現させるためには次のような環境づくりが必要です。
習慣のために用いるものは使いやすい状況にする
歯磨きが「生活の一部」となっているのは、いつも洗面台に歯ブラシや歯磨き粉といった歯磨きのための道具や場所が整っているからです。
習慣を「自然に」「無意識に」おこなえるようにするためには、それに用いるものを手軽に使いやすい状況にしておく必要があります。
先の例で挙げたウォーキングの場合、始める際に玄関にスニーカーがなかったり、あったとしてもひどく汚れているとその時点で「今日はやめようかなぁ」という気持ちになり、習慣化への妨げとなります。
洗面台にある歯ブラシがボロボロだったり汚れていると歯磨きをしようとは思いませんよね。
習慣のために用いる時間と場所を決めておく
習慣のための時間や場所がはっきりしていると、毎回それで迷うことがなくなり、生活リズムの中に自然に取り入れられます。
「いつでもどこでもいいですよ」という時間や場所の設定は一見自由なように見えますが、自由すぎると毎日それについて考える必要が生じ、迷いや面倒に思う原因になります。
ですので決められた時間やタイミングをあらかじめ設定しておき、生活の流れの中で自動的に取り組める仕組みにすれば、無意識的に毎日の習慣として行動に移せるようになります。
なぜ迷いが習慣化の妨げになるのか、こちらの記事でご紹介しています
習慣を身につけるために必要なウィルパワー(意志力)の正体と使い方
他の習慣とセットでおこなえるようにする
時間や場所が決まっても、ウォーキングをするためにわざわざ遠くの公園まで出かけなくてはならないとすると、時間もかかり「生活の一部」とはいえないものとなり、面倒になってやめてしまう原因になります。
そのような場合に生活の一部としてうまく取り込む方法として、すでにある習慣とセットとしておこなうという方法があります。
ウォーキングなら普段の通勤(すでにある習慣)のときに最寄り駅のひと駅前で降りてその分を歩けば、ウォーキングとして成立します。ほかにも読書の習慣も通勤の中に取り入れられますね。
これらの準備や方法により、「習慣は生活の流れの一部」というマインドのもと習慣化の実現へとつながります。
最後に
このように、習慣についてのマインド・心構えを見直すことで、新しい習慣への取り組みへの敷居が低くなり、自分の生活スタイルに合った新しい習慣の導入、そして習慣化へとつながります。
習慣化のイメージをしっかりと持ち、生活の中に取り入れやすい環境を用意して無理なく自然なかたちで取り組めるようなかたちを見つけてくださいね。